B-2-33 本学歯科学生の小児歯科に対する意識調査

近年, 我が国の年間出生児数は著しい減少傾向を示している. また, 1970年代前半のオイルショック以後, 都市部を中心とした乳歯齲蝕の減少と軽症化が認められ, 1987年度の歯科疾患実態調査からも特に低年齢児にこの傾向は著明である. このような状況の中で, 歯科医療全般ではマスコミなどによる歯科医師過剰論などによる大学への志願者数の減少, それに伴う各大学での定員削減や歯科医療を志す学生の質の問題など, これからの歯科医学教育は大きな転換期にあると考えられます. 演者らは, 今後の小児歯科学の教育について, 新しい学問領域の発達および社会的要求を満たすことを教育面で積極的に取り上げ, 教育カ...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1989, Vol.27 (3), p.807-807
Hauptverfasser: 安東義政, 深谷芳行, 難波比呂志, 中里佳示, 宮沢裕夫, 今西孝博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, 我が国の年間出生児数は著しい減少傾向を示している. また, 1970年代前半のオイルショック以後, 都市部を中心とした乳歯齲蝕の減少と軽症化が認められ, 1987年度の歯科疾患実態調査からも特に低年齢児にこの傾向は著明である. このような状況の中で, 歯科医療全般ではマスコミなどによる歯科医師過剰論などによる大学への志願者数の減少, それに伴う各大学での定員削減や歯科医療を志す学生の質の問題など, これからの歯科医学教育は大きな転換期にあると考えられます. 演者らは, 今後の小児歯科学の教育について, 新しい学問領域の発達および社会的要求を満たすことを教育面で積極的に取り上げ, 教育カリキュラムを充実させる必要があると考えその検討の指標とすることを目的に本学在校生(1~6年生)を対象に, 親の職業, 理想的歯科医師像, 小児歯科学の重要性などの意識調査をアンケート方式で実施しました. 結果1)小児に対するイメージは, 「成長発育段階にあり変化するものである」が約75%であり, 次いで「成人を 小さくしたものでなく別のもの」が約50%でした. 2)小児歯科学が発達してきた理由では, 「成長発育過程にある」が86%と高く, 「取り扱いの問題」は学年が増すに従い高くなり, 6学年で99.1%にまで達しました. 3)小児歯科学の治療の重要性については, 「乳歯, 幼若永久歯の疾患の予防と治療」が75.8%と最も高く, 次いで「成長発育と全身管理を考えての歯科治療」の64.8%でした. 「顎, 口腔領域の疾患の治療」や「心身障害児の歯科治療」は, 共に約28%と低いが, 学年が増すに従い増加傾向でした. 4)小児歯科治療に対する自信は, 「ない」が30.8%で学年が増すに従い増加傾向でした.
ISSN:0583-1199