C-1-3 グラスアイオノマーセメント系シーラントが裂溝部エナメル質の結晶性に与える影響
目的 小窩裂溝への齲蝕予防法には, 従来よりレジンシーラントが広く応用されてきているが, エナメル質表面の酸処理を必要とするため, 歯質を化学的に齲蝕させる側面を持ち, 特にエナメル質の萌出後成熟を考慮すればγ酸処理操作上, 填塞範囲を越えて過剰にエッチングされることが問題点と考えられる. このようなことから, 演老らは酸処理を必要とせず, また粉末中に含有するフッ化物が硬化後フッ素イオンとして溶出する可能性のあるグラスアイオノマーセメント系シーラントを取り上げ, 填塞後のエナメル質の質的性状変化として耐酸性変化を検討してきた. その結果, 本シーラント填塞下, 周囲部エナメル質ともに耐酸性の...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1989, Vol.27 (3), p.763-763 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的 小窩裂溝への齲蝕予防法には, 従来よりレジンシーラントが広く応用されてきているが, エナメル質表面の酸処理を必要とするため, 歯質を化学的に齲蝕させる側面を持ち, 特にエナメル質の萌出後成熟を考慮すればγ酸処理操作上, 填塞範囲を越えて過剰にエッチングされることが問題点と考えられる. このようなことから, 演老らは酸処理を必要とせず, また粉末中に含有するフッ化物が硬化後フッ素イオンとして溶出する可能性のあるグラスアイオノマーセメント系シーラントを取り上げ, 填塞後のエナメル質の質的性状変化として耐酸性変化を検討してきた. その結果, 本シーラント填塞下, 周囲部エナメル質ともに耐酸性の獲得が認められ, しかもシーラント周囲部により耐酸性の獲得が認められた. そこで, 今回はさらに小窩裂溝部エナメル質の結晶性変化について検討した. 実験方法 萌出直後のヒト抜去小臼歯10歯を用い, 同一歯を咬合面中央部で近遠心的に2分割し, コントロール側と面面側とに分け実験試料とした. 填塞側小窩裂溝にグラスアイオノマーセメント系シーラント(Fuji ionomer Type IH, GC社製)を填塞し, 37. C灌流蒸留水, 人工唾液中に3週間保存し, 微小焦点X線回折装置により, シーラント填塞下, 周囲部エナメル質の結晶性変化を比較検討した. 結果1)シーラント周囲部エナメル質表層の結晶性は, a軸, c軸方向ともにやや向上する傾向がみられた. 2)シーラント填塞下エナメル質表層の結晶性は, a軸方向では, 保存溶液にかかわらずやや向上する傾向がみられた. c軸方向では, 蒸留水中保存において低下する傾向がみられたが, 人工唾液中保存では, 裂溝開口部において向上する傾向が認められた. |
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ISSN: | 0583-1199 |