A-1-2 顎骨の成長に関する実験的研究 -食物の軟化による下顎頭の変化
目的 顎骨の小進化の過程を説明するには, 顎骨の形態的変化を観察するだけでなく, 歯牙の咬合関係と相互調和を保ちながら咀嚼, 嚥下, 発育などの口腔顎系の機能を営む下顎頭に及ぼす影響を観察する必要がある. そこで, ラットを用いて, 摂食飼料の硬さの違いによって, 下顎頭の成長に及ぼす影響を検索し, 興味ある結果を得たので報告した. 実験材料は生後3週齢, 体重40g前後のwistar系雄ラットを用い, kg/cm2の硬さで固型飼料群, 練飼料群および粉末飼料群を用いた. 実験方法は飼育6週目にそれぞれ大腿動脈より放血し, 採血しながら致死させた. 致死直後頭部を採取し, 10%中性ホルマリン...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1989, Vol.27 (3), p.728-729 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的 顎骨の小進化の過程を説明するには, 顎骨の形態的変化を観察するだけでなく, 歯牙の咬合関係と相互調和を保ちながら咀嚼, 嚥下, 発育などの口腔顎系の機能を営む下顎頭に及ぼす影響を観察する必要がある. そこで, ラットを用いて, 摂食飼料の硬さの違いによって, 下顎頭の成長に及ぼす影響を検索し, 興味ある結果を得たので報告した. 実験材料は生後3週齢, 体重40g前後のwistar系雄ラットを用い, kg/cm2の硬さで固型飼料群, 練飼料群および粉末飼料群を用いた. 実験方法は飼育6週目にそれぞれ大腿動脈より放血し, 採血しながら致死させた. 致死直後頭部を採取し, 10%中性ホルマリン液にて固定した. 固定後の顎骨より下顎を採取し, Softex typeのCSMを用いて, X線撮影を行った. その後下顎頭を60~80μmの非脱灰標本とし, Softex typeのCSMを用い, Contact microradiogramを作製した. また, 標本は5%硝酸脱灰し, セロイジン包埋後, 顎骨の側頭骨より5mmの顎関節部を矢状断で15μm連続切片標本を作製し, H・E重染色を施して鏡見した. なお, 下顎頭の一部は, 光顕的観察と並行して軟骨を形態的に観察するため走査電顕試料を作製し, 日本電子製JSM T-300にて観察を行った. 骨組織の圧縮による破砕試験は, 木村の方法に準じ, 下顎頭を関節面より8mm採取し実験に供した. 東洋ボールドウィンの万能試験機を用い, クロスヘッドスピード2mm/minにて圧縮試験を行った. 試験片はそれぞれ同じ寸法で, 圧縮強さは荷重(kg)による比較を行った. 結論 食物の硬さの減少によって下顎頭の軟骨組織の成長および軟骨下骨形成帯の内部構造に影響を与えることが実証された. |
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ISSN: | 0583-1199 |