心身障害児の歯科治療時における母親の行動: 第1報 患児の状態との関連性
本研究では,心身障害児の歯科治療時に母親が治療室へ入室する,入室しないという母親の行動を生起させる要因を明らかにすることを目的とした。 すなわち,愛知学院大学歯学部附属病院小児歯科外来へ通院する46組の心身障害児とその母親を対象とし,患児の能力,治療室内での行動などについて調査し,母親の治療室入室行動に影響する要因について検索し,以下の結果を得た。 1)母親が入室する群の方が入室しない群に比べ,日常会話の理解能力,日常会話の表現能力,ブクブクうがいの能力でやや能力が劣る傾向がみられた。 2)自閉症児は他の障害に比べ母親が入室する割合が高くなっていた。 3)母親が入室する群の子供が入室しない群に...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1989/09/25, Vol.27(3), pp.637-644 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本研究では,心身障害児の歯科治療時に母親が治療室へ入室する,入室しないという母親の行動を生起させる要因を明らかにすることを目的とした。 すなわち,愛知学院大学歯学部附属病院小児歯科外来へ通院する46組の心身障害児とその母親を対象とし,患児の能力,治療室内での行動などについて調査し,母親の治療室入室行動に影響する要因について検索し,以下の結果を得た。 1)母親が入室する群の方が入室しない群に比べ,日常会話の理解能力,日常会話の表現能力,ブクブクうがいの能力でやや能力が劣る傾向がみられた。 2)自閉症児は他の障害に比べ母親が入室する割合が高くなっていた。 3)母親が入室する群の子供が入室しない群に比べ,全ての診療場面で行動評価得点が高く,相対的に不適応であった。 4)数量化II類による分析では,治療室へ入室する母親,入室しない母親の判別効率の指標となる相関比は0.44と比較的高く,母親の行動の判別はある程度可能であった。 5)母親の行動を規定する子供側の要因として障害の種類,言語表現力,うがいの能力,診療中の適応性の4要因が挙げられた。 |
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ISSN: | 0583-1199 2186-5078 |
DOI: | 10.11411/jspd1963.27.3_637 |