4 カイウサギの乳歯歯根吸収におけるインドメサシンの影響について 第3報

我々は, 歯の交換に関与する因子を解明する研究の一環として, プロスタグランジンの関与について検討する目的で, カイウサギを用いて, プロスタグランジンの特異的阻害剤であるインドメサシンを投与し, その影響について検索を行っている. すでに, インドメサシンを投与すると, 乳歯歯根吸収が抑制される現象を, in vivoで初めて確認している. 今回, その事実を再確認し, さらに詳細に検索するため, インドメサシンの投与量を変えて実験を行った. 方法:経歴の明らかな2羽のカイウサギ(New Zealand White bread)から妊娠32日目に出産した新生児ウサギ16羽を用いた. これらを...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1989, Vol.27 (1), p.287-287
Hauptverfasser: 有田憲司, 木内晶子, 幸平典子, 加藤邦子, 西野瑞穂
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:我々は, 歯の交換に関与する因子を解明する研究の一環として, プロスタグランジンの関与について検討する目的で, カイウサギを用いて, プロスタグランジンの特異的阻害剤であるインドメサシンを投与し, その影響について検索を行っている. すでに, インドメサシンを投与すると, 乳歯歯根吸収が抑制される現象を, in vivoで初めて確認している. 今回, その事実を再確認し, さらに詳細に検索するため, インドメサシンの投与量を変えて実験を行った. 方法:経歴の明らかな2羽のカイウサギ(New Zealand White bread)から妊娠32日目に出産した新生児ウサギ16羽を用いた. これらを4羽づつ4群(対照群と3つの実験群)に分け, 生後7日目より, 実験群は, 各群にそれぞれ0.1mg/kg, 1mg/kg, 10mg/kgの濃度のインドメサシン(1%メチルセルロース懸濁液)を12時間毎に腹腔内投与した. 対照群には生理食塩水(1%メチルセルロース加)を投与した. 各仔ウサギに計9回投与し, 生後11日目に屠殺し, 直ちに上顎骨を取りだし10%中性ホルマリンで固定し, PLANK-RYCHLO法で脱灰後, 通法に従いパラフィン包埋を行なった. 次に上顎乳切歯の歯軸に平行な矢状面で厚さ7μmの連続切片を作製し, H.E染色を施した. さらに, 上顎乳切歯歯根面に出現したすべての破歯細胞の数を測定し, 比較検討した. 結果:カイウサギの上顎乳切歯の生理的歯根吸収において, 0.1mg/kg, 1.0mg/kg, および10.0mg/kgのインドメサシンを投与すると1.0mg/kg以上の濃度において, 歯根面に出現する破歯細胞の数が抑制され, 10.0mg/kgで最も減少することを認めた. これは, インドメサシンによるプロスタグランジンの産生阻害によるものと考えられ, 乳歯歯根吸収にプロスタグラジンが関与していることを示唆するものと思われた.
ISSN:0583-1199