12 堺市における乳幼児の歯科疾患の実態について

〔目的〕堺市は人口約81万人で, 大阪府下2番目の政令市である. 本市には現在, 4つの保健所と2つの保健センターがあり, 歯科医師1名と歯科衛生士7名とが勤務している. 堺市においては, 乳幼児対象の全員通知制の健診事業として, 4ヵ月児健診, 10ヵ月児相談, 1.5歳児および3歳児健診を, 月に2-3回の割合で各保健所ごとに実施している. 今回私達は, 堺市における乳幼児歯科保健体制を再検討するため, これまでに得られた乳幼児歯科健診の結果から, 主として齲蝕罹患の実態についてまとめた. 〔方法〕母子管理システムが現在の体制となった, 昭和56年から昭和62年までの7年間の, 1.5歳児...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1989, Vol.27 (1), p.281-281
Hauptverfasser: 宮地良子, 村川恵, 岸田恭子, 奥野展子, 出来和代, 黒田千恵, 服部真代, 安福美昭, 八幡將道
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:〔目的〕堺市は人口約81万人で, 大阪府下2番目の政令市である. 本市には現在, 4つの保健所と2つの保健センターがあり, 歯科医師1名と歯科衛生士7名とが勤務している. 堺市においては, 乳幼児対象の全員通知制の健診事業として, 4ヵ月児健診, 10ヵ月児相談, 1.5歳児および3歳児健診を, 月に2-3回の割合で各保健所ごとに実施している. 今回私達は, 堺市における乳幼児歯科保健体制を再検討するため, これまでに得られた乳幼児歯科健診の結果から, 主として齲蝕罹患の実態についてまとめた. 〔方法〕母子管理システムが現在の体制となった, 昭和56年から昭和62年までの7年間の, 1.5歳児および3歳児歯科健診の結果を集計, 分析した. 〔結果〕昭和56年から昭和62年までの7年間の推移をまとめると, 以下のような結果が得られた. (1)受診率(約80-94%)は増加しているが, 出生数の減少に伴う受診者数(8,000-11,000人/年)の減少がみられる. (2)1.5歳児では, def者率の変化はあまりみられないが(5.5-7.5%), 一人平均def歯数は0.2本から0.1本へとわずかな減少傾向がみられる. (3)3歳児では, def者率は50.2%から46.2%へと減少しているが, 一人平均def歯数には萌出歯総数に対する割合からみてあまり変化がない(2.3-2.1本). 即ち, 齲蝕罹患者一人当たりのdef歯数はやや増加傾向にある. (4)厚生省の齲蝕罹患型では, 1.5歳児においては顕著な変化はないが, 3歳児ではO型の割合が若干増加し, 反対にA, B型の割合が減少している. また, C型はあまり変化がない. 今後は, この集計によって明らかになった齲蝕罹患の実態を, 異なる齲蝕罹患型の分類法やスクリーニング法を用いてさらに詳しく分析することによって, より効果的な歯科保健体制を確立していきたい.
ISSN:0583-1199