18 糖尿病サマーキャンプにおける歯科保健指導 ―ぶらんこの会に参加して

糖尿病は世界的に分布する疾患で, 小児から老年に至る広い年齢層に発症する. 小児にみられる糖尿病は, インスリン依存性糖尿病(IDDM)と, 非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)に, その発症機序から分類され, 特にIDDMの特徴として, 発症が急激で, ケトーシス傾向が強く, インスリン欠乏の代謝異常として高血糖, 高浸透圧に基づく口渇, 多飲多尿, やせ, 脱力がみられる. 歯科的には易感染性を主因とする歯周疾患との関連が注目されている. 今回, 演者らは昭和62年度糖尿病サマーキャンプ第5回信州ぶらんこの会に参加する機会を得, 小児歯科サイドとの関わりについて若干の知見を得た. 「ぶら...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1989, Vol.27 (1), p.273-274
Hauptverfasser: 大隈敦子, 中曽根靖江, 今西孝博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:糖尿病は世界的に分布する疾患で, 小児から老年に至る広い年齢層に発症する. 小児にみられる糖尿病は, インスリン依存性糖尿病(IDDM)と, 非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)に, その発症機序から分類され, 特にIDDMの特徴として, 発症が急激で, ケトーシス傾向が強く, インスリン欠乏の代謝異常として高血糖, 高浸透圧に基づく口渇, 多飲多尿, やせ, 脱力がみられる. 歯科的には易感染性を主因とする歯周疾患との関連が注目されている. 今回, 演者らは昭和62年度糖尿病サマーキャンプ第5回信州ぶらんこの会に参加する機会を得, 小児歯科サイドとの関わりについて若干の知見を得た. 「ぶらんこの会の概要」 ぶらんこの会は, 1)糖尿病の知識を高め, 正しい技術を身につける, 2)集団生活を体験することによって社会性を身につけ, よりよい人間関係をつくる, 3)自分のことは自分でやり, 自分で考え判断し行動する, という3つを目標とし, スタッフは総勢54名, 内訳は小児科医, 小児歯科医, 看護婦, 学生, 叢者等で, キャンプディレクターを中心として, 各患児にカウンセラーひとりがつき, 注射係, 生活係, 教育係等細かく組織されている. (対象および方法) IDDM児20名で, 内訳は男児9名, 女児11名で年齢は6歳から14歳までの平均10.8歳, 罹病期間は5ヵ月から13年10ヵ月までで, 平均4年8ヵ月であった. これらの患児を対象に, 口腔内診査, 唾液潜血測定用試験紙による判定, カリオスタットを用いた24時間Incubation後の色判定を行った. 「まとめ」 今後, 歯科からのアプローチとして, DM児の口腔疾患との関連はもとより, その予防の方策について, より具体的な指標を今後検討していくつもりである.
ISSN:0583-1199