10 松本歯科大学病院小児歯科における新患小児の実態調査 第1報 来院小児の動向について

創立当初, 本学の位置する長野県中信地区は, 大都市に比べ小児歯科専門医が少ないなど立ち遅れた状況がみられた. しかし, 近年年間出生数の減少や, 地域歯科医療機関の小児医療への積極的なとりくみ, また最近の齲蝕減少傾向が農山村部をかかえる地方都市に浸透し, 創立時に比べ異った医療形態を組み入れる必要が生じている. 演者らは, 一地方都市における大学病院小児歯科が, どのような役割を担っているかを再確認し, 今後の小児歯科医療を更に充実させ, 展開していくのかを検討するため, 小児歯科外来患者の実態について調査を行った. 調査対象として, 1976年から1987年までの11年間に来院した新患患...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1989, Vol.27 (1), p.270-270
Hauptverfasser: 長谷川貴子, 池上温子, 平澤貴代恵, 今西孝博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:創立当初, 本学の位置する長野県中信地区は, 大都市に比べ小児歯科専門医が少ないなど立ち遅れた状況がみられた. しかし, 近年年間出生数の減少や, 地域歯科医療機関の小児医療への積極的なとりくみ, また最近の齲蝕減少傾向が農山村部をかかえる地方都市に浸透し, 創立時に比べ異った医療形態を組み入れる必要が生じている. 演者らは, 一地方都市における大学病院小児歯科が, どのような役割を担っているかを再確認し, 今後の小児歯科医療を更に充実させ, 展開していくのかを検討するため, 小児歯科外来患者の実態について調査を行った. 調査対象として, 1976年から1987年までの11年間に来院した新患患者10,576名のうち, 当科で使用しているプロトコールの問診票, 診療録が, 完全に記録・保管されていた男児4,252名, 女児4,043名, 計8,295名を抽出し, 年齢分布, 地域分布, 来院理由等についての推移・動向の実態を把握した. 〔結果〕 1)年齢分布…3~5歳, 2歳以下, 6~8歳の順で経年的変化は認められない. 2)地域分布…塩尻市からの来院が多く, 中信地区以外からの通院は減少傾向にある. 3)通院方法…電車・バス通院が減少し, 自家用車通院の比率は高くなっている. 4)主訴…疼痛を訴える場合が減少し, 逆に口腔健康管理の希望が増加傾向にある. 5)治療内容…齲蝕を含めた痛い歯のみの治療を希望するものが増加傾向にある. 6)治療範囲…保健診療内での治療を希望するものが増加している. 7)新患総数・収入総額…1977年を100とした場合, 各各経年的に減少し, 1987年には, 新患総数(指数39.8), 収入総額(指数58.5)となった.
ISSN:0583-1199