B-2-16. ヒト小臼歯における小窩裂溝部エナメル質のフッ素濃度分布第2報白斑・粗糠部をもつ小窩裂溝についての検討

演者らは, 第25回日本小児歯科学会において幼若永久歯を用い, 小窩裂溝部は, 頬側面及び咬合面などに比べエナメル質表層フッ素濃度がやや高い傾向にあることを報告した. そこで今回は第2報として小窩裂溝部に, 白斑・粗糠部を有する幼若永久歯を用い, エナメル質表層フッ素濃度, 及びCa/Pについて検索した. 実験資料:過去にフッ素塗布の既往がなく, 咬合誘導上抜去された若年者の上顎第1小臼歯で, 小窩裂溝部に白斑・粗糧部を持つ12歯を資料とした. 実験方法:実験資料をロビンソンブラシおよび15分間の超音波振動を加え清掃後, 歯冠部を頬舌的に切断し厚さ800μmの薄切切片を作製した. その後, そ...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1988, Vol.26 (3), p.699-700
Hauptverfasser: 大石紀子, 都筑勝美, 貴田章敬, 後藤邦之, 黒須一夫, 中垣晴男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:演者らは, 第25回日本小児歯科学会において幼若永久歯を用い, 小窩裂溝部は, 頬側面及び咬合面などに比べエナメル質表層フッ素濃度がやや高い傾向にあることを報告した. そこで今回は第2報として小窩裂溝部に, 白斑・粗糠部を有する幼若永久歯を用い, エナメル質表層フッ素濃度, 及びCa/Pについて検索した. 実験資料:過去にフッ素塗布の既往がなく, 咬合誘導上抜去された若年者の上顎第1小臼歯で, 小窩裂溝部に白斑・粗糧部を持つ12歯を資料とした. 実験方法:実験資料をロビンソンブラシおよび15分間の超音波振動を加え清掃後, 歯冠部を頬舌的に切断し厚さ800μmの薄切切片を作製した. その後, その切片をほぼ中央部で小窩裂溝部の底部を残してダイヤモンドディスクで切断した. 頬側咬頭側の小窩裂溝側壁部, 裂溝開口部, 頬側咬頭の咬合面側中央部を内斜面部, 頬側面の歯冠長1/2に相当する部位を外斜面部として, 測定部位とした. 1歯につき4部位について表層から内層に至るF, P, Ca濃度を測定した. F, P, Ca濃度の測定は, Weatherellら(1973)の1M, HCIO43μlでエッチングするmicro-Sampling法を用いてエナメル質試料を採取し, 試料中のFをHallsworthら(1976)のイオン電極法, PはChenら(1956)の比色法, また, Caは原子吸光分析法により定量した. 結果:1)全ての部位のエナメル質表層フッ素濃度は, 健全歯と同様に表層程高く, 深層になるに従い低くなる傾向が認められた. 2)小窩裂溝部のエナメル質表層フッ素濃度は, 他の部位に比べ, 高い傾向が認められた. 3)白斑・粗糧部を有する小窩裂溝部では, エナメル質表層フッ素濃度は健全部に比べて深層でも比較的高い傾向が見られた. 4)各部位におけるCa/Pは, ほぼ一定の値を示した.
ISSN:0583-1199