C-1-3. FCによる口蓋粘膜の抗原的修飾に関する研究(3)
目的:根管治療薬や覆髄剤の性質として, 歯周組織を抗原的に修飾しないことが挙げられる. 我々は, ホルマリン系薬剤が口蓋粘膜に抗原性を付与することを示唆し, また, Buckley’s formocresol(FC)処理口蓋粘膜に対する単一抗体の作製についても報告した(第25回本大会). 今回, 同抗体が認識する抗原について検討を加え, また, 他臓器との交差反応性についても調べ, 若干の知見を得た. 材料と方法:1)単一抗体:FC処理口蓋粘膜(Balb/Cマウス由来)に対する抗体(B5-5)を用いた. 2)組織切片:Balb/Cマウスの各臓器をFCあるいは生理的食塩水(PBS)で処理し, ア...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1988, Vol.26 (3), p.667-668 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:根管治療薬や覆髄剤の性質として, 歯周組織を抗原的に修飾しないことが挙げられる. 我々は, ホルマリン系薬剤が口蓋粘膜に抗原性を付与することを示唆し, また, Buckley’s formocresol(FC)処理口蓋粘膜に対する単一抗体の作製についても報告した(第25回本大会). 今回, 同抗体が認識する抗原について検討を加え, また, 他臓器との交差反応性についても調べ, 若干の知見を得た. 材料と方法:1)単一抗体:FC処理口蓋粘膜(Balb/Cマウス由来)に対する抗体(B5-5)を用いた. 2)組織切片:Balb/Cマウスの各臓器をFCあるいは生理的食塩水(PBS)で処理し, アルコール脱水, パラフィン包埋後, 3~4μmの切片標本とした. 3)間接蛍光抗体法(FA):一次抗体としてB5-5抗体を, 二次抗体としてFITCあるいはローダミン結合goat antimouse immunoglobulins(IgA and IgG and IgM)を用いた. 結果:1)B5-5抗体は, FC処理口蓋粘膜(FC-PM)の角質層及び粘膜下組織を認識する. しかし, 対照としてのPBS処理口蓋粘膜とは反応しなかった. 2)FC-PMをProtease処理した結果, 角質層の染色性は弱まり, 一方, 有棘細胞層, 固有層の染色性が出現ないしは強まった. 3)FC-PMのNeuraminidase処理によって, 染色性にほとんど変化がなかった. 4)B5-5抗体はFC処理した脳, 肝, 腎の各組織とは反応しなかった. 考察:1)FAに用いた切片はあらかじめキシロール処理してあることから, 抗体によって認識される抗原は脂質ではない. 2)Neuraminidase処理によって染色性がほとんど変化しないことから, シアル酸ではないと考えられる. 3)Protease処理によって, 染色性に変動がみられたことから, 抗原はタンパクと推定される. 4)B5-5抗体は他臓器と反応せず, 同抗体の特異性が示された. |
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ISSN: | 0583-1199 |