B-1-11. 硬組織の細胞分化に関する生化学的研究-ラット骨芽細胞に対するモノクローナル抗体の作製

我々は生体に広く存在し硬組織形成を行う骨芽細胞に着目し, その分化を解析するプローブとして抗体を応用する目的でラット骨芽細胞に対するモノクローナル抗体の作製を試みた. 2日齢のSD系ラット頭頂骨からcollagenase処理により得られたosteoblast-rich cellsを培養した後, alkaline phosphatase(ALP)の染色を行い, フローサイトメーターを用いてALP活性の高い細胞を分取して抗原とした. BALB/cマウスを抗原により免疫し, 得られた脾細胞とマウスミエローマ(Sp2/0-Ag14)とを融合させてハイブリドーマを作製した. その後, 抗体産生能に対する...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1988, Vol.26 (3), p.655-655
Hauptverfasser: 木本茂成, 葉山淑人, 檜垣旺夫, 中野完, 川瀬俊夫, 斉藤滋
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:我々は生体に広く存在し硬組織形成を行う骨芽細胞に着目し, その分化を解析するプローブとして抗体を応用する目的でラット骨芽細胞に対するモノクローナル抗体の作製を試みた. 2日齢のSD系ラット頭頂骨からcollagenase処理により得られたosteoblast-rich cellsを培養した後, alkaline phosphatase(ALP)の染色を行い, フローサイトメーターを用いてALP活性の高い細胞を分取して抗原とした. BALB/cマウスを抗原により免疫し, 得られた脾細胞とマウスミエローマ(Sp2/0-Ag14)とを融合させてハイブリドーマを作製した. その後, 抗体産生能に対するスクリーニングとクローニングを繰り返した結果, 18種の抗体産生クローンが得られた. そのうち4種のクローンでosteoblast-rich cellsとは結合するが, skin fibroblastsとは有意な結合性を示さない抗体の産生が認められた. この抗体は蛍光抗体法によりosteoblast-rich cellsへの結合が確認され, ALP活性の高い細胞にほぼ一致して強い結合性を示した. さらに, 単層培養したosteoblast-rich cellsの蛋白質に対し, immunoblottingを行った結果, 分子量210KDから15KDの11個の分画において抗体の結合が認められ, 一方, 浮遊培養においては210KDの分子を除く同様の蛋白質分画との結合が認められた. また, biotinavidin protein blottingにより膜表面の蛋白質の検出を行った結果, 抗体の結合する抗原分子はosteoblast-rich cellsの細胞膜表面上に存在することが示唆された.
ISSN:0583-1199