B-1-4. 成長期顎骨の実験的骨粗鬆症に対するカルシウムの効果に関する研究-とくに下顎頭の変化

骨虚弱状態の成育期ラットに高カルシウム食を与え, 下顎頭に対する食餌療法による効果を明らかにした. 実験材料は, 生後3週齢のwistar系雄ラットを使用した. 実験開始時より, オリエンタル酵母のB食変型カルシウム欠乏食飼料と蒸留水で4週間飼育後次のようにした. カルシウム欠乏食・正常食群はオリエンタル酵母ラット標準飼料+水道水. カルシウム欠乏食・高カルシウム食群は, 蛋白資源開発のイワシパウダーとオリエンタル酵母ラット標準粉型飼料との混合(1:2)飼料+水道水. 飼育後5週, 6週, 7週目にそれぞれ大腿動脈より放血・致死させた. 直ちに頭部を採取し, 10%申性ホルマリン液にて固定した...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1988, Vol.26 (3), p.652-652
Hauptverfasser: 渡辺尚海, 木村光孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:骨虚弱状態の成育期ラットに高カルシウム食を与え, 下顎頭に対する食餌療法による効果を明らかにした. 実験材料は, 生後3週齢のwistar系雄ラットを使用した. 実験開始時より, オリエンタル酵母のB食変型カルシウム欠乏食飼料と蒸留水で4週間飼育後次のようにした. カルシウム欠乏食・正常食群はオリエンタル酵母ラット標準飼料+水道水. カルシウム欠乏食・高カルシウム食群は, 蛋白資源開発のイワシパウダーとオリエンタル酵母ラット標準粉型飼料との混合(1:2)飼料+水道水. 飼育後5週, 6週, 7週目にそれぞれ大腿動脈より放血・致死させた. 直ちに頭部を採取し, 10%申性ホルマリン液にて固定した. 観察項目. 1)X線学的観察はSoftex typeのCSMを用いて軟X線撮影を行った. 2)microradiogramによる観察は, 下顎頭をアルコールにて脱水し, Rigolacに包埋し, 試料を作製した. 3)病理組織学的検索は, 下顎頭の一部は5%硝酸脱灰を施し, セロイジソ包埋後, 下顎頭の外側より2mmの部を矢状断で15μm連続切片標本を作製し, ヘマトキシリソ・エオジン重染色を施して鏡摂した. 結果. 高カルシウム食投与は, 正常食のものより軟骨細胞層の厚さは薄くなり, 軟骨吸収細胞はより多くみられ, 軟骨下骨形成は旺盛になっていた. 実験開始より5週, 6週, 7週と骨形成は促進されていた. 以上より虚弱下顎頭に対して, 本邦において最も漁獲量が多いイワシをカルシウムの栄養源として用いることはかなりの効果があることが実証された.
ISSN:0583-1199