C-2-6 脳性麻痺者のロ腔機能に関する研究 ―第1報 ATP顆粒による咀嚼能力と筋電図学的解析

摂取機能は, すなわち捕食, 咀嚼, 嚥下などは, 舌, 口腔周囲筋, 顎運動を司どる咀嚼筋などのリズミカルな協調運動を必要とする為脳性麻痺者の場合, 摂食機能上に障害を有する事が多い. 脳性麻痺者の咀嚼筋活動について, それも筋電図学的解析による研究は, いくつか報告されているが, 試料とする基準食品については, 脳性麻痺者の多くが食生活の内容において, 健常者と異なる為に, 共通の食品の選定が困難であり, 租借筋活動の様相については健常者と比較検討した研究はみあたらない. そこで, 今回演者らは, 脳性麻痺者の摂食機能の向上を目的に, 食品の物性が彼らの租借筋活動にいかに影響しているかとい...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1987, Vol.25 (3), p.732-732
Hauptverfasser: 岩田夏彦, 広瀬由治, 岩崎光秀, 関みつ子, 大西敏雄, 中島一郎, 高梨登, 武井謙司, 赤坂守人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:摂取機能は, すなわち捕食, 咀嚼, 嚥下などは, 舌, 口腔周囲筋, 顎運動を司どる咀嚼筋などのリズミカルな協調運動を必要とする為脳性麻痺者の場合, 摂食機能上に障害を有する事が多い. 脳性麻痺者の咀嚼筋活動について, それも筋電図学的解析による研究は, いくつか報告されているが, 試料とする基準食品については, 脳性麻痺者の多くが食生活の内容において, 健常者と異なる為に, 共通の食品の選定が困難であり, 租借筋活動の様相については健常者と比較検討した研究はみあたらない. そこで, 今回演者らは, 脳性麻痺者の摂食機能の向上を目的に, 食品の物性が彼らの租借筋活動にいかに影響しているかという事を知るべく, 今回は第1報として, 咀嚼能力が正確かつ比較的簡便に測定する事ができ, 被験者の負担が少なく, 生米の1/7の硬さといわれるATP顆粒剤を用いて, 粉砕時の咀嚼筋活動とその際の咀嚼能力値との関係を検討したところ, 二三の知見を得たの で報告する. 「まとめ」 1)今回対象となった脳性麻痺者14名の上肢MATと口腔機能の障害度は, 有意な相関があるが, 咀嚼能力とは有意な相関がなかった. さらに, 口腔機能の障害度は比較的軽度であった. 2)脳性麻痺者7名のATP顆粒30ストローク測定時の筋活動量は, 健常者と同程度であったが, 咀嚼能力は有意に低値を示した. 3)咀嚼リズムにおいて, 脳性麻痺者と健常者では, 有意にその変動状態が異なっていた.
ISSN:0583-1199