A-2-6 活性セラミックを用いた乳歯生活歯髄切断に関する研究 ―1. ハイドロキシアパタイトの応用
最近, 活性セラミックの一種を成分とした覆髄剤が市販され. 永久歯の覆髄処置に用いられているが, 活性セラミックを, 乳歯の生活歯髄切断処置に応用された報告は, ほとんどみられない. そこで, 今回我々は, 活性セラミックの一種である, ハイドロキシアパタイトセラミック(HAC)を, 幼犬乳歯生活歯髄切断処置に使用し, その治癒経過を検討した. 材料および方法: 生後2~3ヵ月の幼犬5頭を用い, 全身麻酔後, HACを覆髄剤として用いた, 生活歯髄切断処置を行い, 術後 7日間(12例), 及び21日間(9例)飼育して, 灌流固定を行った. その後, 施術歯は脱灰し, セロイジン包埋後, H....
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1987, Vol.25 (3), p.708-708 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 最近, 活性セラミックの一種を成分とした覆髄剤が市販され. 永久歯の覆髄処置に用いられているが, 活性セラミックを, 乳歯の生活歯髄切断処置に応用された報告は, ほとんどみられない. そこで, 今回我々は, 活性セラミックの一種である, ハイドロキシアパタイトセラミック(HAC)を, 幼犬乳歯生活歯髄切断処置に使用し, その治癒経過を検討した. 材料および方法: 生後2~3ヵ月の幼犬5頭を用い, 全身麻酔後, HACを覆髄剤として用いた, 生活歯髄切断処置を行い, 術後 7日間(12例), 及び21日間(9例)飼育して, 灌流固定を行った. その後, 施術歯は脱灰し, セロイジン包埋後, H. E. 染色, アザン染色, 及びチオニン・ピクリン酸染色を行った, 病理組織標本を作成した. 覆髄剤のHACは, 旭光学工業社製で, 焼成温度は 1200℃, 粉末粒子は100μm以下の緻密型で, 球状な粒子である. 結果: 1)切断部の壊死層は, いずれの症例にも認められなかった. 2)HACの周囲に, 線維性の結合組織を形成して, 線維化を呈している症例が, 21例中17例に認められた. 3)術後21日例では, 硬組織の形成を認め, 特に象牙質の形成は9例中6例に認められた. 硬組織は, 遊離象牙質粒のように, 部分的に形成されており, 象牙質削片とHACがもとになっている症例や, またHACがもとになり, 象牙質を形成している症例が認められた. 4)固有歯髄に於いて, 術後7日では, 軽度の円形細胞浸潤を, 半数以上に認めたが, 術後21日例では, 認めない症例が多く, また, 萎縮・変性も認めなかった. 以上の結果より, HACは, 幼犬乳歯歯髄に対して著しい為害作用はなく, 組織親和性の良好なことが認められた. |
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ISSN: | 0583-1199 |