A-2-5 Partial pulpotomyの歯髄に及ぼす影響に関する実験病理学的研究
1978年Cvek等によって発表された部分的生活歯髄切断法(Partial pulpotomy) は, 冠部歯髄の多くが保存可能であり, 特に歯根未完成の幼若永久歯には望ましい処置法と思われる. また本法は術式も容易であり, より自然に即した審美性の獲得にも有益である等の利点を有している. そこで, 外傷による露髄を伴う歯冠部破折歯に対して, 部分的生活歯髄切断法の術式を施した場合の歯髄の状態を解明する目的で, 成犬の歯牙を用いて病理組織学的に究明を行い, 若干の知見を得たので報告する. 成犬の前歯に対して, ニッパーを用いて歯冠の一部を破折させ, 僅かに歯髄を露出させた. 約1時間そのまま放...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1987, Vol.25 (3), p.708-708 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 1978年Cvek等によって発表された部分的生活歯髄切断法(Partial pulpotomy) は, 冠部歯髄の多くが保存可能であり, 特に歯根未完成の幼若永久歯には望ましい処置法と思われる. また本法は術式も容易であり, より自然に即した審美性の獲得にも有益である等の利点を有している. そこで, 外傷による露髄を伴う歯冠部破折歯に対して, 部分的生活歯髄切断法の術式を施した場合の歯髄の状態を解明する目的で, 成犬の歯牙を用いて病理組織学的に究明を行い, 若干の知見を得たので報告する. 成犬の前歯に対して, ニッパーを用いて歯冠の一部を破折させ, 僅かに歯髄を露出させた. 約1時間そのまま放置後, No. 4ラウンドバーを用いて約2mmの深さで部分的に生活歯髄切断を行った. 次いで, 水酸化カルシウム製剤(ニューカルピタール)を切断面に貼布し, 燐酸亜鉛セメントで裏装, コンポジットレジンを用いて窩洞を充填し, 実験群Aとした. また同様にニッパーを用いて歯冠を破折させ歯髄を露出させたまま, 7日間放置した歯牙に対して同様の術式を施したものを実験群Bとした. また, ニッパーによって歯冠部を破折させ露髄させたまま放置したものをコントロール群とした. その後通法に従って病理組織標本を作製, 検鏡し, その成績を判定した. 実験例数は総数25例で, 実験期間は14日, 30日および 60日である. そのうちA群14例, B群8例, コントロール群3例である. 本実験の結果, 病理成績は, 実験群Aでは良好9例 (64%), 概良5例(36%), 実験群Bでは. 良好4例(50 %), 概良2例(25%), 不良2例(25%)であった. 以上より, 部分的生活歯髄切断法は, 歯牙の外傷に際して, 受傷後比較的早期に処置が行える場合には応用価値を有する術式であると考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0583-1199 |