C-1-14 Deep Sedationによる小児歯科治療の試み (第2報)

今回, 我々は意志の疎通が図れない低年齢患児57名, 延90例に対して, deep sedation による小児歯科治療を試みたので, その概要を報告した. 1)患児の年齢別では, 26ヵ月から33ヵ月までが最も多く, 平均年齢は2歳9ヵ月であった. 2)既往疾患を有した患児では, 先天性心疾患児が11例で最も多かった. 健常児は75例であった. 3)処置時間は平均64分であった. 処置内容はコソポジットレジン充填が最も多く, 次いで予防?塞だった. 一人平均処置歯数は4. 1歯であった. 4)本研究で用いた薬剤は, 催眠薬であるリン酸トリクロルエチレンナトリウム(トリクロリール)と抗アレルギ...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1987, Vol.25 (3), p.701-701
Hauptverfasser: 塚本末廣, 尾崎正雄, 一木数由, 小笠原靖, 久芳陽一, 吉田穣
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:今回, 我々は意志の疎通が図れない低年齢患児57名, 延90例に対して, deep sedation による小児歯科治療を試みたので, その概要を報告した. 1)患児の年齢別では, 26ヵ月から33ヵ月までが最も多く, 平均年齢は2歳9ヵ月であった. 2)既往疾患を有した患児では, 先天性心疾患児が11例で最も多かった. 健常児は75例であった. 3)処置時間は平均64分であった. 処置内容はコソポジットレジン充填が最も多く, 次いで予防?塞だった. 一人平均処置歯数は4. 1歯であった. 4)本研究で用いた薬剤は, 催眠薬であるリン酸トリクロルエチレンナトリウム(トリクロリール)と抗アレルギー性精神安定剤であるパモ酸ヒドロキシジン(ア タラックスーP)の組合せが最も多かった. 薬は経口的に投与したのが多かったが, 内服を拒否する患児には 抱水クロラール(エスクレ)の坐薬を直腸内に投与した. 5)薬の効果は, 74例が著効, 15例が有効, 無効が1例であった. 6)副作用としては, 4例に術中, 嘔気と嘔吐が発生したが, それ以外に特に問題となるような合併症はなかつた. 7)薬を服用してから, 入眠するまでの所要時間は1時間から2時間までの症例が多く, 平均84分であった. 睡眠持続時間は平均4時間であった. 男児の方が女児より睡眠時間が1時間程長かった. 8)薬剤投与後の呼吸数と動脈血中酸素飽和状態について, 治療直前, 治療中, 治療直後の3群に分けて, その変動を検討したところ, 3群間には統計的な有意の差は無かった. 9)脈拍と. 血圧においても, 上記の3日間には統計的な有意な差はなかった. すなわち, 術中の呼吸器・循環器系には特に問題がないことが判明した.
ISSN:0583-1199