C-1-8 歯髄組織中のプテリン量について

ビオプテリン(BP)はカテコールアミン性神経伝達物質やホルモンの生合成に関与している物質で, 発生学的に神経冠細胞に由来する交感神経節や副腎髄質, 松果体などに高濃度に局在し, 動物の発生段階に従ってその量に変化が見られる. またネオプテリンはリンパ細胞に多く含有されており, 組織適合性抗原やイソターロイキンー2, レクチンなどの刺激によりその量が変化する. 歯髄は加齢的に変化が見られる組織であり, 神経冠細胞に由来をもつ象牙芽細胞を含む組織でもある. そこで種々の発育段階にある歯髄組織のBPについて検討した. 実験に用いた歯髄組織は生後6-7ヵ月のブタ下顎第一後臼歯, 未萌出第二後臼歯, 第...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1987, Vol.25 (3), p.698-698
Hauptverfasser: 鈴木洋子, 佐藤真芳, 五嶋秀男, 中西信夫, 秋葉薫子, 小澤賢一, 平山けい, 山田正三
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ビオプテリン(BP)はカテコールアミン性神経伝達物質やホルモンの生合成に関与している物質で, 発生学的に神経冠細胞に由来する交感神経節や副腎髄質, 松果体などに高濃度に局在し, 動物の発生段階に従ってその量に変化が見られる. またネオプテリンはリンパ細胞に多く含有されており, 組織適合性抗原やイソターロイキンー2, レクチンなどの刺激によりその量が変化する. 歯髄は加齢的に変化が見られる組織であり, 神経冠細胞に由来をもつ象牙芽細胞を含む組織でもある. そこで種々の発育段階にある歯髄組織のBPについて検討した. 実験に用いた歯髄組織は生後6-7ヵ月のブタ下顎第一後臼歯, 未萌出第二後臼歯, 第四乳臼歯, 未萌出第四前臼歯より採取した. BPの定量はFukushima& Nixonの方法によって行なった:歯髄を1/2量(V/W) の10 mM dithioerythritpl-0. 2M過塩素酸でホモジナイズ, 超音波処理しプテリンを抽出, 残渣は12, 000xg, 15 分間の遠心によって除いた. 歯髄中の総BP量およびテトラヒドロ型ビオプテリン(BPH4)量は約15 ng/gで, 各歯種の歯髄の間で顕著な差は認められなかった. 一方, BPH4は未萌出第四前臼歯で最も多く, 次いで未萌出第二後臼歯, 第一後臼歯であり, 乳歯ではほとんど検出されなかった. このようにBPH4/BP比が歯髄によって異なることは, 歯髄中のBP, BPH4が血液などの混在によるものではなく, 歯髄に固有のものであることを示している. また, 各発育段階におけるBPH4/BP比は歯の形成が完了しているものほど低くなっており, 乳歯でも発育段階の初期の歯ほどBPH4が高く, 次第に低くなることが推定される.
ISSN:0583-1199