歯の萌出・成長に関する実験的研究: 第2報 軟X線切歯側方撮影法によるラット切歯の萌出・成長に及ぼす細胞増殖抑制薬の影響について
前報において全身麻酔薬として用いたUrethaneが歯の萌出速度に対して著明な抑制効果を示したことより,より詳細に研究すると共に,造歯組織,歯根膜線維の細胞増殖の抑制との関連について, 他の細胞増殖抑制薬, Mitomycin C, Carboquone, 5-Fluoro-uracil, Doxorubicinについて比較検討した。 Urethaneは用量依存的に萌出速度の抑制が認められた。造歯組織の細胞の反応性はUrethaneにより著しい影響を受けていなかった。Urethane投与による萌出速度の抑制は,投与後の経過日数の増加につれて,漸次対照群の萌出速度へ近づいて行き回復傾向を示した。...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1987/03/25, Vol.25(1), pp.54-61 |
---|---|
1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 前報において全身麻酔薬として用いたUrethaneが歯の萌出速度に対して著明な抑制効果を示したことより,より詳細に研究すると共に,造歯組織,歯根膜線維の細胞増殖の抑制との関連について, 他の細胞増殖抑制薬, Mitomycin C, Carboquone, 5-Fluoro-uracil, Doxorubicinについて比較検討した。 Urethaneは用量依存的に萌出速度の抑制が認められた。造歯組織の細胞の反応性はUrethaneにより著しい影響を受けていなかった。Urethane投与による萌出速度の抑制は,投与後の経過日数の増加につれて,漸次対照群の萌出速度へ近づいて行き回復傾向を示した。Mitomycin C, Carboquone, 5-Fluorouracil, Doxorubicinはいずれも切歯の萌出速度を抑制するという点において, Urethane と同様な結果を示した。用量一反応曲線ではMitomycin CとUrethaneは類似しており,両薬物の作用点の類似性が示唆される。これに対して, 5-Fluorouracil の用量一反応曲線はMitomycin C やUrethane とは異なった推移をとり,明らかに作用点の違いを示していた。 また,これらの薬物による萌出速度の抑制はUrethaneとは異なり,投与後の回復傾向は示さなかった。さらに造歯組織の細胞の反応性は,Urethaneを除いていずれも著しい低下を示し,これらの作用が遅効性であり,細胞増殖に対して可成り強い作用を呈することを示している。 |
---|---|
ISSN: | 0583-1199 2186-5078 |
DOI: | 10.11411/jspd1963.25.1_54 |