B-1-37 実験的粗鬆症に対するカルチトニンの効果に関する研究-とくに下顎頭に及ぼす影響

骨粗鬆症の治療はこれまで整形外科, 内科領域で種々の方法が試みられてきた. カルチトニンの投与もその1つであり, ある程度の効果も報告されている. そこで演者らは, 本教室で一連の研究を行なっている口腔領域の骨粗鬆症に対して, カルチトニンの長管骨における骨量減少の抑制効果は, 顎骨においても有効ではないかと考え, 今回, 生後3週齢のウイスター系ラット(雄)に実験的脱カルシウム食による骨粗鬆症を作り, 下顎頭に対するカルチトニンの影響を検索した. ラットは無作為に次の4群に分けた. I群:正常対照群, 正常食+水道水+クエン酸緩衝液を大腿後部に筋注(0.2cc/100g, 毎日)II群:正常...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1986, Vol.24 (3), p.567-567
Hauptverfasser: 竹島勇, 木村光孝, 楊榮展
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:骨粗鬆症の治療はこれまで整形外科, 内科領域で種々の方法が試みられてきた. カルチトニンの投与もその1つであり, ある程度の効果も報告されている. そこで演者らは, 本教室で一連の研究を行なっている口腔領域の骨粗鬆症に対して, カルチトニンの長管骨における骨量減少の抑制効果は, 顎骨においても有効ではないかと考え, 今回, 生後3週齢のウイスター系ラット(雄)に実験的脱カルシウム食による骨粗鬆症を作り, 下顎頭に対するカルチトニンの影響を検索した. ラットは無作為に次の4群に分けた. I群:正常対照群, 正常食+水道水+クエン酸緩衝液を大腿後部に筋注(0.2cc/100g, 毎日)II群:正常・ECT群:正常食+水道水+ECTを大腿後部に筋注(0.2cc/kg, 毎日)III群:脱Ca食群:脱Ca食+蒸留水+クエン酸緩衝液を大腿後部に筋注(0.2cc/100g, 毎日)IV群:脱Ca食・ECT群:脱Ca食+蒸留水+ECTを大腿後部に筋注(0.2μ/kg, 毎日)飼育後4週間後すべてのラットを大腿動脈より採血, 致死させた. 頭部および四肢を採取し, 10%中性ホルマリンにて固定後, 顎骨に対してSoftextype CSMを用いて35kvp, 5mA, 60, 焦点・皮膚間距離70cmの条件下でX線撮影を行なって詳細に観察するとともに, X線像を客観的にみる目的でScanning patternを描出した. 光速スリット幅はフィルム上で10×500μで行い, 下顎頭を横断, 縦断するように走査した. その結果, カルチトニンの効果によって下顎頭に及ぼす影響は, 下顎頭の状態および部位によって異なることがわかった. 下顎頭の軟骨部におけるECTの投与は逆に石灰化形成に障害するものであり, 軟骨下部と中心部は骨虚弱状態に骨形成の働きに有効であった.
ISSN:0583-1199