11 下甑村住民の口腔健康管理に関する予備調査結果
鹿児島大学歯学部小児歯科学講座と補綴学講座IIでは, 下甑村立の青瀬歯科診療所の管理を依頼され, 昭和59年10月1日より, 当小児歯科から歯科医師の派遣を開始した. 今回の調査目的は, 小児歯科と補綴科の2科による, 下甑島各地区住民の口腔健康管理のために, 基礎づくりとして行われたのである. 調査方法は, 青瀬歯科診療所を受診した男431名, 女462名を対象に, その検診用紙と歯科診療録を使用し, 年齢別来院状況, 月別来院状況, 齲蝕罹患状況および処置内容を調査したので報告した. 下甑村は人口分布が, いわゆる生産人口の少ない2極分離型をとっているため, 今後の下甑住民の口腔健康管理の...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1986, Vol.24 (1), p.278-278 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 鹿児島大学歯学部小児歯科学講座と補綴学講座IIでは, 下甑村立の青瀬歯科診療所の管理を依頼され, 昭和59年10月1日より, 当小児歯科から歯科医師の派遣を開始した. 今回の調査目的は, 小児歯科と補綴科の2科による, 下甑島各地区住民の口腔健康管理のために, 基礎づくりとして行われたのである. 調査方法は, 青瀬歯科診療所を受診した男431名, 女462名を対象に, その検診用紙と歯科診療録を使用し, 年齢別来院状況, 月別来院状況, 齲蝕罹患状況および処置内容を調査したので報告した. 下甑村は人口分布が, いわゆる生産人口の少ない2極分離型をとっているため, 今後の下甑住民の口腔健康管理のためには, 小児と老人の歯科医療を充実させてゆくことが必要であると考えられた. 今回の調査結果では, 地域の大学病院の臨床2科が派遣されているため, 互いの経験を取り込んだ, 必要に応じて離島住民に還元できるようなシステム作りと, 歯科衛生思想の普及が必要であると考えられた. なお, 小児歯科としての意見では, 下甑村の0歳から中学生までの小児, 合計612名, これを夏期休暇を待って集団で受診すればよいという安易な発想が定着しないように, 年間を通して管理していくことが重要であると思われた. それら具体案を述べたが, 離島における歯科診療に関しては, その地域性すなわち, 生活条件や社会環境に合わせた運営を行ってゆくことが必要であると考えられた. |
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ISSN: | 0583-1199 |