187 von Willebrand病患児の抜歯例
von Willebrand病は遺伝性出血素因の血液疾患であり, 出血時間延長, 第VIII因子活性, 第VIII因子関連抗原, von Willebrand因子活性の低下又は欠如, 血小板粘着能低下, リストセチン凝集能低下を主徴とする. 今回, われわれはvon Willebrand病の小児患者に遭遇し, 4年間で3回にわたって乳歯抜歯例を経験したので, その概要を報告した. 患者は現在13歳男児で, 昭和48年10月, 1歳4ヵ月時, 玩具で遊戯中, 口蓋部外傷をきたし, 止血困難となり某病院小児科を受診し, 血液検査の結界von Willebrand病と診断された. その後, 常に鼻出...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1985, Vol.23 (3), p.857-858 |
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Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | von Willebrand病は遺伝性出血素因の血液疾患であり, 出血時間延長, 第VIII因子活性, 第VIII因子関連抗原, von Willebrand因子活性の低下又は欠如, 血小板粘着能低下, リストセチン凝集能低下を主徴とする. 今回, われわれはvon Willebrand病の小児患者に遭遇し, 4年間で3回にわたって乳歯抜歯例を経験したので, その概要を報告した. 患者は現在13歳男児で, 昭和48年10月, 1歳4ヵ月時, 玩具で遊戯中, 口蓋部外傷をきたし, 止血困難となり某病院小児科を受診し, 血液検査の結界von Willebrand病と診断された. その後, 常に鼻出血症状が出現したため, 同科で年2~3回50~100単位AHF製剤の投与を受けた. 昭和52年10月, 5歳4ヵ月時, 遊戯中に鉄柱でBA⊥A強打し, 亜脱臼を起こし, 当科紹介され来院. 凝血学的検査は止血時間20分以上, 部分トロンボプラスチン時間123.5秒, 第VIII因子活性32%, リストセチン凝集能9%が得られた. 当科入院のうえ, BA⊥A抜歯を行った. 局所止血処置は抜歯窩に酸化セルロース製剤を挿入し, 縫合, 止血シーネで圧迫した. 補充療法としてAHF製剤100単位を投与した. 昭和53年1月, 5歳7ヵ月時, E┐歯槽膿瘍で外来で抜歯を行い, 酸化セルロース製剤と圧迫ガーゼを使用し, AHF製剤50単位を投与した. 昭和56年1月, 8歳時, D┬D部後続永久歯の萌出, 並びに「CE 動揺著明であり, 当科両入院のうえD┬CDE抜歯を行った. AHF製剤200単位を投与し「DE 部縫合処置と止血シーネで圧迫止血した. 過去3回の抜歯例とも経過良好であった. 本症の大多数は幼児期に発病し, 小さな創傷からの持続する出血を起こしやすく, 粘膜出血, 特に鼻出血の多いことが特徴である. 抜歯後出血に対する局所圧迫止血と第VIII因子製剤(AHF製剤)の補充療法との併用をした止血処置は有効な一方法であると考えられた. |
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ISSN: | 0583-1199 |