179 Compound Odontoma と Follicular Cystが相接して発生していた1例

演者らは, 「3の萌出遅延と毒血歯肉の膨隆を主訴として来院した11歳の女子に, 集合性歯牙腫と濾胞性歯嚢胞が相接して発生していた珍しい症例に遭遇した. 「3相当部歯肉は健康色を呈していたが, 大豆大の腫脹が見られ, 腫脹は非可動性で硬さは骨様硬であった. 自発痛はみられなかったが, わずかに圧痛を訴えた. X線診査により, 「3が「2, 「4 間に埋伏し, 歯冠部を中心に境界明瞭な類円形のX線透過像が認められた. また, 「3歯冠尖端部付近に, 数個の大小不同のX線不透過像が重なりあうように存在していた. 境界明瞭な類円形のX線透過像を濾胞性歯嚢胞, 数個の大小不同のX線不透過像を歯牙腫と臨床...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1985, Vol.23 (3), p.854-854
Hauptverfasser: 山本英次, 内野公一, 竹中正史, 杉山和夫, 後藤啓爾, 木村光孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:演者らは, 「3の萌出遅延と毒血歯肉の膨隆を主訴として来院した11歳の女子に, 集合性歯牙腫と濾胞性歯嚢胞が相接して発生していた珍しい症例に遭遇した. 「3相当部歯肉は健康色を呈していたが, 大豆大の腫脹が見られ, 腫脹は非可動性で硬さは骨様硬であった. 自発痛はみられなかったが, わずかに圧痛を訴えた. X線診査により, 「3が「2, 「4 間に埋伏し, 歯冠部を中心に境界明瞭な類円形のX線透過像が認められた. また, 「3歯冠尖端部付近に, 数個の大小不同のX線不透過像が重なりあうように存在していた. 境界明瞭な類円形のX線透過像を濾胞性歯嚢胞, 数個の大小不同のX線不透過像を歯牙腫と臨床診断を下し, GOF全身麻酔のもとに摘出手術を行った. 抜去した「3の歯冠部は, 淡紅色の比較的滑沢な被膜で覆われていた. 歯牙腫様物は, 表面が滑沢な歯牙様硬組織の集まりで, それぞれの歯牙様硬組織は, 同一被膜により被覆され, 嚢胞壁との連絡は認められない. 歯牙様硬組織については, 5個とも歯牙の形態をなし, 硬組織の配置も極めて規則正しい. 象牙質は, 極めて規則的な構造を示し, 組織的には, ほとんど正常な象牙質に近く, 規則正しい象牙細管の走行を認める. 歯髄は, 血管の拡張, 充血のほかは, ほぼ正常歯髄の像を呈している. 嚢胞壁内面は, 大部分単層に近い重層扁平上皮よりなり, 一部には活発な増殖を示す部分もみられる. 上皮の角化性変化は見られない. 上皮層の外層は, 大部分線維成分に當んだ緻密結合織より成る. 炎症性肉芽組織は見られない. 現在, 骨創は新生骨によって満たされ, 漸時, 正常骨構造に回復している. 肉眼的にも, 手術創は閉鎖し, 「3の欠損を除いては, 正常歯肉に回復している.
ISSN:0583-1199