86 グルタルアルデヒドの歯髄切断法への応用に関する研究
1972年半Hannahによって, グルタルアルデヒドを用いた生活歯髄切断法が報告されて以来, FCとの比較において多くの研究がなされ, いずれも, 臨床的・組織学的に良好な結果が得られたとされている. しかし, グルタルアルデヒドの濃度, pH, 糊剤の種類などの違いによる影響や組織学的検索など, まだ十分な検討がなされていない. 演者らは, グルタルアルデヒドを生活歯髄切断法に応用する際の最適な条件を決めることを目的として一連の実験を行ない, 第21回小児歯科学会で, グルタルアルデヒドと水酸化カルシウムを混合した糊剤を幼犬乳歯に応用した場合について報告した. 今回は2%グルタルアルデヒド...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1985, Vol.23 (3), p.811-811 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1972年半Hannahによって, グルタルアルデヒドを用いた生活歯髄切断法が報告されて以来, FCとの比較において多くの研究がなされ, いずれも, 臨床的・組織学的に良好な結果が得られたとされている. しかし, グルタルアルデヒドの濃度, pH, 糊剤の種類などの違いによる影響や組織学的検索など, まだ十分な検討がなされていない. 演者らは, グルタルアルデヒドを生活歯髄切断法に応用する際の最適な条件を決めることを目的として一連の実験を行ない, 第21回小児歯科学会で, グルタルアルデヒドと水酸化カルシウムを混合した糊剤を幼犬乳歯に応用した場合について報告した. 今回は2%グルタルアルデヒドと酸化亜鉛を混合した糊剤を犬幼若永久歯に応用した場合の歯髄の組織学的変化について報告する. 実験材料は生後5~6ヵ月の雑犬の永久前歯および臼歯で, 頬側に5級窩洞を形成した後ラウンドバーで露髄させた. 露髄面に2%グルタルアルデヒド液(pH4.0)を浸した綿球を5分間貼布した後, 2%グルタルアルデヒド液(pH4.0)と酸化亜鉛を混合した糊剤で被覆した. 観察期間は, 直後, 2週, 4週, 8週で, 実験歯は脱灰後, パラフィン包埋し, 4~7μmに薄切後, H-E染色を施した. 結果:直後では表層に一層の固定層が見られるのみであったが, 2週および4週後では, エオジン好染性の層と, 瀰慢性に固定された, やや巾広い固定層が見られた. 8週後では固定層に線維化の傾向が認められた. 固定層の下の歯髄組織は, わずかに炎症性細胞が見られるが, ほぼ正常と思われた. また, 4週および8週例の一部に, 糊剤に接する表層に一層の固定層が存在するのみで, 残存歯髄はほぼ正常と思われる症例が見られた. これは, 残存歯髄に対する影響が最も少ない理想的な反応の型ではないかと思われた. いずれの症例においてもdentin bridgeの形成は認められなかった. |
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ISSN: | 0583-1199 |