50 小児発音の高周波領域における波形の分析

今回, われわれは, 高周波領域の音声分析と小児の発音の基準を求めるために, 小児の音声を録音し, 分析をおこなった. 被検者は, 4歳から6歳までのHellmanの咬合発育段階IIの咬合, 歯列ともに異常が認められず, 齲蝕の少なく欠損歯のない小児とした. 実験方法は, サウンドスペクトログラフSG-07型および等レベル線描記装置SD-02型によりア行, カ行, サ行, タ行, ナ行, ハ行, マ行, ラ行, オカアサンの発音について, パターン分析および等高線分析をおこなった. 次に, シグナルプロセッサー7T22Sにより母音の単音の波形の検出とパワー分析をおこなった. 結果は, 下記のと...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1985, Vol.23 (3), p.795-795
Hauptverfasser: 茂木紳一, 中野博光, 鈴木浩子, 岡賢, 高山英子, 高木みどり
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:今回, われわれは, 高周波領域の音声分析と小児の発音の基準を求めるために, 小児の音声を録音し, 分析をおこなった. 被検者は, 4歳から6歳までのHellmanの咬合発育段階IIの咬合, 歯列ともに異常が認められず, 齲蝕の少なく欠損歯のない小児とした. 実験方法は, サウンドスペクトログラフSG-07型および等レベル線描記装置SD-02型によりア行, カ行, サ行, タ行, ナ行, ハ行, マ行, ラ行, オカアサンの発音について, パターン分析および等高線分析をおこなった. 次に, シグナルプロセッサー7T22Sにより母音の単音の波形の検出とパワー分析をおこなった. 結果は, 下記のとおりであった. 1)パターン分析と等高線分析では, 口腔内に可撤型保隙装置, いわゆる乳歯義歯を装着している小児や小帯付着部異常の小児の音声分析と比較して, 低周波領域のホルマントから高周波領域のホルマントまで明瞭に表示され, またピッチも明確になっていることが認められた. 2)パワー分析では, 母音のア, イ, ウ, エ, オの発音において, それぞれ, ほぼ一定した周波領域に特徴的な音圧レベルのピークを有していることが認められた. 3)波形の検出では, 母音のア, イ, ウ, エ, オの発音については, それぞれ一定した周期と形態をもっていることが認められた.
ISSN:0583-1199