17 鹿児島大学小児歯科の咬合誘導

鹿児島大学小児歯科では, 咬合誘導は小児歯科学や歯科矯正学の領域の別なく, 永久歯咬合完成を迎えるまでの連続線上で管理大系を整備する必要性があると考え, 講座開設に伴い昭和57年4月から矯正科と統一見解を保って開始した. 当科外来における咬合誘導は, 咬合の不正要因を4つに分け, これらへの対処を基礎として運営されている. すなわち, 骨格型, 機能型, discrepancy型およびdental型の各不正要因である. 骨格型に対しては, 成長につれて増悪する特性があるのでできるだけ早期から長期管理の必要があり, 機能面については, 放置しておくと骨格型に移行する性質があるのでなるべく早く解消...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1985, Vol.23 (3), p.779-779
Hauptverfasser: 塩野幸一, 丸田恭嗣, 西田裕光, 大野秀夫, 福島真弓, 小椋正
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:鹿児島大学小児歯科では, 咬合誘導は小児歯科学や歯科矯正学の領域の別なく, 永久歯咬合完成を迎えるまでの連続線上で管理大系を整備する必要性があると考え, 講座開設に伴い昭和57年4月から矯正科と統一見解を保って開始した. 当科外来における咬合誘導は, 咬合の不正要因を4つに分け, これらへの対処を基礎として運営されている. すなわち, 骨格型, 機能型, discrepancy型およびdental型の各不正要因である. 骨格型に対しては, 成長につれて増悪する特性があるのでできるだけ早期から長期管理の必要があり, 機能面については, 放置しておくと骨格型に移行する性質があるのでなるべく早く解消すること, discrepancy型に対しては抜歯・非抜歯の決定を側方歯群交換期頃までに決定すること, dental型には他の不正要因の管理に合わせて適当な時期に組み込むことなどである. 骨格型不正要因の把握は, いわゆる複雑なセファロ分析を用いずプロフィログラムを使用し, 簡便な方法を採用しているため, 症例分析と治療計画立案が患者を待たせている間の短時間でできることを指摘した. 矯正科と統一見解をもって咬合誘導を行ってきた結果, 以下のことが考えられた. すなわち互いに分離独立していては効果的な咬合誘導は考えられないこと, 意見交換が円滑に行うことが出来るようになったこと, 咬合の推移の予測が出来るようになったこと, その後に始めて互いの科の特色が活かされてゆくだろうこと, すなわち小児歯科としては, 幼児の頃にすでに存在する骨格型不正要因を見逃さないこと, および抜歯・非抜歯の見極めができる目を持たなければならないことなどである. これらを経て, 地域医療体系の中に始めて咬合誘導が根付いてゆくだろうことが考えられた.
ISSN:0583-1199