18 実験的骨粗鬆症に対する食餌療法に関する研究(第1報)-とくに歯槽骨について
成長期の組織における栄養障害は, 多種多様な変化として現われる. 歯槽骨の骨粗鬆症もその一つである. 本教室では成長期の骨粗鬆に関して一連の研究を行っている. 骨粗鬆症の治療は活性型ビタミンD, カルシトニンなどの投与が一般的であり, その効果も報告されている. しかし栄養障害は栄養摂取の改善が先決であると思われ, 本実験では, 食餌療法による単独治療法における歯槽骨の骨粗鬆状態の改善に関して検索を行っているので報告した. 実験材料は3週齢のWister系雄ラットを用い, 正常対照群はオリエンタル酵母の正常飼料と水道水を4, 5, 6週間与え飼育した. 実験群は実験開始時より3週間までは, オ...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1985, Vol.23 (1), p.271-272 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 成長期の組織における栄養障害は, 多種多様な変化として現われる. 歯槽骨の骨粗鬆症もその一つである. 本教室では成長期の骨粗鬆に関して一連の研究を行っている. 骨粗鬆症の治療は活性型ビタミンD, カルシトニンなどの投与が一般的であり, その効果も報告されている. しかし栄養障害は栄養摂取の改善が先決であると思われ, 本実験では, 食餌療法による単独治療法における歯槽骨の骨粗鬆状態の改善に関して検索を行っているので報告した. 実験材料は3週齢のWister系雄ラットを用い, 正常対照群はオリエンタル酵母の正常飼料と水道水を4, 5, 6週間与え飼育した. 実験群は実験開始時より3週間までは, オリエンタル酵母の脱Ca食と蒸留水を与え飼育し, その後正常食と水道水に変え, 1, 2, 3週間飼育した. 飼育後, 放血致死させた. 直ちに顎骨を採取し, 10%中性ホルマリン液にて固定. 固定後の顎骨は, Softex type CSMを用いて35KVp, 5mA, 60秒, 70cmの条件下でX線撮影を行って詳細に観察するとともに, さくらmicrophotometer PPS-15を用いて, 10×500μのスリット幅で下顎下縁より歯槽骨までの走査を行い, scanning patternを描出した. 結果1)実験群の体重は, 脱Ca食にて飼育中は増加は認められなくなり, 正常食に戻った後に飼育日数につれて増加が認められた. 2)X線学的所見では, 実験群における正常食に変え1週間後は歯槽骨の幅は狭く, 骨濃度も菲薄である. 正常食に変えて2週間後は歯槽骨は漸次厚くなり, 骨濃度も濃くなり, 正常食3週間後になると, ほぼ正常対照4週間群に相当するまで回復した. 3)microphotogramでは凹凸の少ないpatternに回復しつつあるが, 骨粗鬆症の歯槽骨にみられる歯槽骨下部と上部の濃度差は未だ認められた. |
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ISSN: | 0583-1199 |