永久歯の萌出をさまたげていたCompound Odontomaの1例

著者らは,E根尖相当部の疼痛を主訴として来院した,10歳の女児に発生したodontomaが後継永久歯の萌出を阻害したと思われる症例に遭遇した.E歯槽部歯肉は健康色を呈していたが,触診により圧痛を認めた.X線診査によりE根尖相当部に2個の境界明瞭なX線不透過像を認め,その塊状物によって5は萌出を妨げられ埋伏していた.そこで2個の腫瘤を摘出し,病理組織学的検索および電子顕微鏡的検索を行った結果,compound odontomaと診断した.術後,expansion screwを応用したspace regainerを装着し定期的な観察を続け,約8ヵ月後5は咬合平面に達するまで萌出し,歯根周囲の歯槽骨...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1984/12/25, Vol.22(4), pp.871-882
Hauptverfasser: 山本, 英次, 木村, 光孝, 中村, 聖, 木下, 孝昭, 佐藤, 秀輝, 石井, 貴三男
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:著者らは,E根尖相当部の疼痛を主訴として来院した,10歳の女児に発生したodontomaが後継永久歯の萌出を阻害したと思われる症例に遭遇した.E歯槽部歯肉は健康色を呈していたが,触診により圧痛を認めた.X線診査によりE根尖相当部に2個の境界明瞭なX線不透過像を認め,その塊状物によって5は萌出を妨げられ埋伏していた.そこで2個の腫瘤を摘出し,病理組織学的検索および電子顕微鏡的検索を行った結果,compound odontomaと診断した.術後,expansion screwを応用したspace regainerを装着し定期的な観察を続け,約8ヵ月後5は咬合平面に達するまで萌出し,歯根周囲の歯槽骨は明瞭となった.現在,同歯は骨植堅固で,充分な咬合機能を営んでおり,予後は良好である.
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd1963.22.4_871