59 窩溝填塞材の口腔内経時変化に関する研究―第2報

窩溝填塞材の口腔内における経時変化を, 形態的ならびに定量的に観察することを目的とした研究の第一段階として, まず試料位置の再現を必要と考え, 光学顕微鏡の焦点深度を応用した“三次元位置決め装置”を考案した. これを試作したところ, 試料位置の客観的再現が可能になることを判明したので, このことは第21回本学会にて, 既に発表した. 今回, 填塞一年後の填塞材の口腔内変化について, “三次元位置決め装置”を用いて観察したので報告する. 試料:九州大学小児歯科外来を受診した6~12歳までの患児の内, 齲蝕罹患していない第一大臼歯で, ラバーダム防湿可能な左右下顎第一大臼歯18歯を被験歯とし, 各...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1984, Vol.22 (3), p.746-746
Hauptverfasser: 中野育子, 宇治寿子, 竹中稔, 中田稔
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:窩溝填塞材の口腔内における経時変化を, 形態的ならびに定量的に観察することを目的とした研究の第一段階として, まず試料位置の再現を必要と考え, 光学顕微鏡の焦点深度を応用した“三次元位置決め装置”を考案した. これを試作したところ, 試料位置の客観的再現が可能になることを判明したので, このことは第21回本学会にて, 既に発表した. 今回, 填塞一年後の填塞材の口腔内変化について, “三次元位置決め装置”を用いて観察したので報告する. 試料:九州大学小児歯科外来を受診した6~12歳までの患児の内, 齲蝕罹患していない第一大臼歯で, ラバーダム防湿可能な左右下顎第一大臼歯18歯を被験歯とし, 各被験歯の填塞前, 填塞後, 4カ月後, 8カ月後, 12カ月後の各々のレプリカを作製する. 使用した填塞材は, デルトン及びホワイトシーラントである. 方法:1)各々のレプリカ試料を“三次元位置決め装置”にて標準化した試料に調整した. 2)標準化した試料は, 走査電子顕微鏡(SEM)にて形態観察した. 試料はすでに標準化しているので, 同一部位の両現は機械的に容易に行うことができた. 3)同じ試料を東京精密表面形状測定器(サーフコム)で検策し, 得られた測定値をXZ座標値としてミニコンピューター(TI 990/4)に入力した. さらに一年後までの同一部位の測定値を, 図形的に重ね合わせ, 填塞材の一年間の断面接着変化を観察した. 結果;1)SEMによる観察:填塞一年後, 填塞材の磨耗による辺縁の後退が明らかで, 歯面と填塞材の境界面に陥凹部が生じていた. 2)サーフコムによる観察:磨耗による一年間の量的変化は, 表面形状測定図の測定線の高さの差で明らかであった. さらに填塞直後は, 形状像が滑らかで丸味があるのに比べ, 1年後は平坦で, しかも填塞材と歯面との接点のところは, 両端が陥凹した形態を示した.
ISSN:0583-1199