56 学童期における上下顎第1大臼歯の齲蝕発現状態 第1報 下顎第1大臼歯

第1大臼歯の齲蝕発現状態を知ることは, 小児歯科臨床において齲蝕予防処置, 歯冠修復時などの際にきわめて重要であると考える. 今日まで臼歯部の歯冠形態や齲蝕の好発部位に関する研究は多く報告されている. しかし, 上下顎第1大臼歯の齲蝕に関する詳細な研究は少ない. そこで, 咬合面型と齲蝕発現状態を観察する目的で, 岐阜県中津川市立坂本小学校の学童を対象に調査を行なった. 対象とした学童は, 男子84名, 女子69名の計153名である. 咬合面型は, HellmanならびにJφrgensenの分類を基礎とし, Y5型, +5型, X5型, Y4型, +4型, X4型の6型とした. 今回は, Y5...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1984, Vol.22 (3), p.744-745
Hauptverfasser: 田中祐子, 後藤邦之, 荻田修二, 山田知博, 都筑勝美, 黒須一夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:第1大臼歯の齲蝕発現状態を知ることは, 小児歯科臨床において齲蝕予防処置, 歯冠修復時などの際にきわめて重要であると考える. 今日まで臼歯部の歯冠形態や齲蝕の好発部位に関する研究は多く報告されている. しかし, 上下顎第1大臼歯の齲蝕に関する詳細な研究は少ない. そこで, 咬合面型と齲蝕発現状態を観察する目的で, 岐阜県中津川市立坂本小学校の学童を対象に調査を行なった. 対象とした学童は, 男子84名, 女子69名の計153名である. 咬合面型は, HellmanならびにJφrgensenの分類を基礎とし, Y5型, +5型, X5型, Y4型, +4型, X4型の6型とした. 今回は, Y5型と, +5およびX5型の2群について報告した. まとめ:1)下顎第1大臼歯の咬合面型は, Y5型が最も多く, 次いで+5型, X5型であった. 2)齲蝕発現状態は, 男子が舌側溝, 女子が頬側面溝で最も高く, 次いで男子が頬側面溝, 女子が舌側溝でした. また, 男子より女子の方が, 近心溝, 頬側溝, 遠心頬側溝において有意に高い傾向を示しました. 3)男子の齲蝕発現状態は, Y5型では頬側面溝, +5・X5型では舌側溝が最も高く, 次いで, X5型は舌側溝.+5型・X5型は遠心溝でした. また. Y5型と+5型・X5型を比較すると, 近心溝と遠心頬側溝において, Y5型の方が+5・X5型より有意に高い傾向を示しました. 4)女子の齲蝕発現状態は, Y5型では頬側面溝, +5・X5型では舌側溝が最も高く, 次いで, Y5型が舌側溝+5・X5型が頬側面溝でした. Y5型とX5型との間には有意差は認められませんでした.
ISSN:0583-1199