55 第1大臼歯の齲蝕罹患に関する研究―萌出過程における齲蝕罹患様相について
演者らは一連の研究として第一大臼歯の萌出開始時期, 咬合関係と萌出様相, 萌出過程における歯垢分布状況などについて報告を行なってきたが, 今回第5報として第一大臼歯の萌出過程における齲蝕侵襲様相, 乳歯列期の齲蝕罹患状態と第一大臼歯齲蝕新生時期の関係について検討を加えたところ興味ある結果を得たので報告する. 資料は山形市に在住する検診開始時第一大臼歯萌出直前の幼稚園年長児240名に対し, 昭和53年7月より56年4月までは3カ月毎, それ以後57年10月までは6カ月母の観察を行なったことにより得られたものを用いた. その結果は次のようであった. 1)萌出後月齢別齲蝕新生率のピークは男児上顎13...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1984, Vol.22 (3), p.744-744 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 演者らは一連の研究として第一大臼歯の萌出開始時期, 咬合関係と萌出様相, 萌出過程における歯垢分布状況などについて報告を行なってきたが, 今回第5報として第一大臼歯の萌出過程における齲蝕侵襲様相, 乳歯列期の齲蝕罹患状態と第一大臼歯齲蝕新生時期の関係について検討を加えたところ興味ある結果を得たので報告する. 資料は山形市に在住する検診開始時第一大臼歯萌出直前の幼稚園年長児240名に対し, 昭和53年7月より56年4月までは3カ月毎, それ以後57年10月までは6カ月母の観察を行なったことにより得られたものを用いた. その結果は次のようであった. 1)萌出後月齢別齲蝕新生率のピークは男児上顎13~15カ月(13.0%), 下顎7~9カ月(12.5%), 女児上顎10~12カ月(14.5%), 下顎10~12カ月(14.6%), であった. 2)33カ月までの齲蝕新生累計は男児上顎43.0%, 下顎59.5%, 女児上顎51.8%, 下顎51.8%, 下顎81.8%で1%の危険率で有意差が認められた. 3)萌出タイプ別新生率では, 咬合開始以前に男児上顎11.4%, 下顎25.7%, 女児上顎16.0%, 下顎53.1%で, 特に下顎で著しい性差が認められた. 4)C.S.I. と齲蝕新生月齢との相関は男女ともに下顎に認められた. 以上の結果より第一大臼歯の齲蝕予防には萌出様相, 過程といった個体差をふまえた萌出開始以前からの指導の必要性が示唆された. |
---|---|
ISSN: | 0583-1199 |