下顎第1乳臼歯のODインレー修復における窩洞と歯髄腔との関係

乳歯は解剖学的形態の特異性のために窩洞形成中に露髄させる危険性が高い.そこで乳歯の窩洞形成に際して窩洞と歯髄腔との位置関係を熟知していることは重要である.今回は永久歯と特に形態の異なる下顎第1乳臼歯におけるODインレー窩洞と歯髄腔との位置的関係を明らかにするために本研究を企画した. 被験歯はODインレー窩洞を形成した下顎第1乳臼歯17歯である.これら被験歯についてシリコン印象材を用いて印象採得を行い石膏模型を作製した.次いでこれら歯牙を硝酸アルコールで脱灰後,ツェロイジン包埋し,頬舌断(8歯)並びに横断(9歯)の連続切片標本とした.これら標本と石膏模型とを用いて窩洞と髄室との距離を計測した....

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1984/06/25, Vol.22(2), pp.533-541
Hauptverfasser: 伴場, せつゑ, 杉原, 惇, 田中丸, 治宣, 町田, 幸雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:乳歯は解剖学的形態の特異性のために窩洞形成中に露髄させる危険性が高い.そこで乳歯の窩洞形成に際して窩洞と歯髄腔との位置関係を熟知していることは重要である.今回は永久歯と特に形態の異なる下顎第1乳臼歯におけるODインレー窩洞と歯髄腔との位置的関係を明らかにするために本研究を企画した. 被験歯はODインレー窩洞を形成した下顎第1乳臼歯17歯である.これら被験歯についてシリコン印象材を用いて印象採得を行い石膏模型を作製した.次いでこれら歯牙を硝酸アルコールで脱灰後,ツェロイジン包埋し,頬舌断(8歯)並びに横断(9歯)の連続切片標本とした.これら標本と石膏模型とを用いて窩洞と髄室との距離を計測した. その結果,咬合面部窩洞では,窩洞と髄腔が最も近接した部位は近心頬側髄角部及び近心舌側髄角部であり,窩洞と髄腔との最短距離は,平均値で頬側部0.16mm,舌側部0.49mmであった.また,近心頬側髄角は全ての髄角のうちで最も高く突出し,窩底より平均値で0.55mm上方の位置にあった.側室部で,窩洞と髄腔が最も近接していた部位は,頬・軸線角付近の歯齦壁寄り約1/4の部位と舌・軸・歯齦点角付近であった.それに対し,窩洞と髄腔との距離が最も大きかった部位は,頬側溝及び舌側溝付近であった.
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd1963.22.2_533