13 乳歯抜歯創の創傷治癒に関する病理組織学的研究
演者らは, 下野の乳臼歯を用いて抜歯後の創傷治癒を病理組織学的に検索し, さらにラベリング法を用いて硬組織の形成状態を永久歯歯胚の動態をも含めて検索している. そこで今回は, 1日, 3日, 7日, 14日, 21日の病理組織学的所見に関して報告し, 従来多数報告されている成犬の永久歯抜歯後の創傷治癒との比較検討を行なった. 結果 : 抜歯後1目目においては, 抜歯窩は凝血塊によって充満され, その表層には線維層が認められた. 3目目では, 凝血塊は壊死状態を呈するようになり, その間には線維層が多数みられ, 一部では新生毛細血管が認められた. 表層は線維層により抜歯窩を完全に被覆していた....
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1984, Vol.22 (1), p.473-473 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 演者らは, 下野の乳臼歯を用いて抜歯後の創傷治癒を病理組織学的に検索し, さらにラベリング法を用いて硬組織の形成状態を永久歯歯胚の動態をも含めて検索している. そこで今回は, 1日, 3日, 7日, 14日, 21日の病理組織学的所見に関して報告し, 従来多数報告されている成犬の永久歯抜歯後の創傷治癒との比較検討を行なった. 結果 : 抜歯後1目目においては, 抜歯窩は凝血塊によって充満され, その表層には線維層が認められた. 3目目では, 凝血塊は壊死状態を呈するようになり, その間には線維層が多数みられ, 一部では新生毛細血管が認められた. 表層は線維層により抜歯窩を完全に被覆していた. 7日目では, 抜歯窩は肉芽組織により充満され, 一部には幼若な骨梁の新生が明らかに認められた. 表層では幼若な上皮が抜歯窩の約1/2を被覆していた. 14日目になると, 新生骨梁は抜歯窩の約1/2まで形成されていた. 上皮は抜歯窩を完全に被覆しているが, 未だ幼若であり, 上皮乳頭の形成は不完全である. 21日目になると, 抜歯窩は新生骨梁で満たされており, 上皮組織は完全に正常な歯肉を形成しているのが明瞭であった. 成犬の永久歯抜歯後の創傷治癒との比較では, 1~3日目の所見では著明な差は認められなかったが, 7日目以降にみられる新生骨梁の形成速度に著しい差が認められ, 幼犬の方が明らかに早いことが確認された. |
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ISSN: | 0583-1199 |