1 福岡歯科大学周辺幼稚園児の乳歯齲蝕罹患に関する疫学的考察

過去において我々は, 小児の乳歯及び幼若永久歯における齲蝕罹患に関する疫学的研究を行ってぎた. その結果カリオスタットpH値と, 齲蝕罹患性との間に顕著な相関性があることを見い出した. そこで今回, 乳歯列期において, 齲蝕活動性試験カリオスタットpH値に関与すると思われる生活環境因子を見つけ出すために新しいフィールドで調査を行った. 調査は, 福岡歯科大学小児歯科診療室に来院し, 検診の協力が得られた大学周辺の2っの幼稚園児(3~6歳)231名を対象として, 口腔診査, カリオスタット測定, アンケート調査を実施した. そして, この調査より得られたデーターを多変量解析を用いて分析したところ...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1984, Vol.22 (1), p.468-468
Hauptverfasser: 柴田香, 尾崎正雄, 森奈千子, 中原世津子, 八尋真由美, 光本くみ子, 許淵仁, 川口辰彦, 平川栄二, 塚本末廣, 吉田穣
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:過去において我々は, 小児の乳歯及び幼若永久歯における齲蝕罹患に関する疫学的研究を行ってぎた. その結果カリオスタットpH値と, 齲蝕罹患性との間に顕著な相関性があることを見い出した. そこで今回, 乳歯列期において, 齲蝕活動性試験カリオスタットpH値に関与すると思われる生活環境因子を見つけ出すために新しいフィールドで調査を行った. 調査は, 福岡歯科大学小児歯科診療室に来院し, 検診の協力が得られた大学周辺の2っの幼稚園児(3~6歳)231名を対象として, 口腔診査, カリオスタット測定, アンケート調査を実施した. そして, この調査より得られたデーターを多変量解析を用いて分析したところ, 下記のごとくの知見を得たので報告した. 1. カリオスタットの48時間後pH値を外的基準にアンケート15項目を説明変数として数量化I類を行った結果, 重相関係数は0.37047と比較的高い値であった. 2. カリオスタットpH値に対して, 「誰が歯をみがくか」という項目が最も偏相関係数が高く0.19731であった. またこの項目は「歯垢の付着状態」と強い相関があり, 子供が歯磨ぎをする子に比べて保護者が歯磨ぎを手伝う子の方が歯垢の付着が少ないということが判明した. 3. 次に偏相関の高かったのは「牛乳のとり方」で0.18772であった. 毎日牛乳を飲む子は, カリオスタットpH値が低い傾向を示したが, このことは今後さらに調査再検討を加える必要があると思われた.
ISSN:0583-1199