3 家族性多数歯欠損の3家系

先天性歯牙欠如の5症例について, その家族について調査ならびに診査を行った結果, 次の結論を得た. 1. 外胚葉系組織の発育不全は, いずれの症例についてもみられず, 系統発生学的退化現象が家族性に強く現われたものと考えられた. 2. 家族内の欠如者は, 一般の頻度3.97%に比べて非常に高率であった(26.5%). 5歯以上の多数歯欠如者は, 両親同胞の中で38.5%であり, 今までの報告と同程度の頻度であった. 3. 欠如者の性別は2:1で女子に多かった. 4. 歯種別にみると, 下顎第2小臼歯, 上顎犬歯, 上顎第1・第2小臼歯, 下顎犬歯に多く, 上下顎第1大臼 歯, 上顎中切歯’,...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1984, Vol.22 (1), p.462-462
Hauptverfasser: 多田桂子, 宮本早苗, 三好鈴代, 西野瑞穂
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:先天性歯牙欠如の5症例について, その家族について調査ならびに診査を行った結果, 次の結論を得た. 1. 外胚葉系組織の発育不全は, いずれの症例についてもみられず, 系統発生学的退化現象が家族性に強く現われたものと考えられた. 2. 家族内の欠如者は, 一般の頻度3.97%に比べて非常に高率であった(26.5%). 5歯以上の多数歯欠如者は, 両親同胞の中で38.5%であり, 今までの報告と同程度の頻度であった. 3. 欠如者の性別は2:1で女子に多かった. 4. 歯種別にみると, 下顎第2小臼歯, 上顎犬歯, 上顎第1・第2小臼歯, 下顎犬歯に多く, 上下顎第1大臼 歯, 上顎中切歯’, 下顎第1小臼歯には欠如がなかった. これは系統発生学的退化現象でよく説明でぎる. また, 犬歯の欠如は稀ではないこともわかった. 左右別では, 差は認められなかった. 5. 2家系では, 歯冠の大きさが小さい傾向にあり, 存在する歯にも退化現象があるのではないかと思われた. 6. 歯列弓幅径は, 正常者との間には差は認められなかった. 7. 多数歯欠如者に特別な頭蓋顔面の成長変化は認められなかった.
ISSN:0583-1199