小児患者の歯科治療に対する協力度の推移について

初診時年齢が2歳以上6歳未満の小児で,以前に歯科経験がなかった166名について,Franklの協力度分類にもとづき,術者が臨床的に評価した協力度の資料を集計し検討を加えたところ,以下のような結果を得ることができた. 1.初診時に不協力行動を示す小児は増齢的に減少していた.また初診時に協力的であった小児のうち,治療開始後に不協力となる者は,2~4歳に多かった.そしてこの不協力へと変化する時期は第1回治療時に集中していた.また急患群では一般群に比較して,初来院時に不協力行動をとりがちであり,協力度改善までに要する期間も長く,特に2~3歳児にその傾向が強く認められた. 2.局所麻酔により不協力行動が...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1984/03/25, Vol.22(1), pp.418-424
Hauptverfasser: 立川, 義博, 二木, 昌人, 井槌, 浩雄, 中田, 稔
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:初診時年齢が2歳以上6歳未満の小児で,以前に歯科経験がなかった166名について,Franklの協力度分類にもとづき,術者が臨床的に評価した協力度の資料を集計し検討を加えたところ,以下のような結果を得ることができた. 1.初診時に不協力行動を示す小児は増齢的に減少していた.また初診時に協力的であった小児のうち,治療開始後に不協力となる者は,2~4歳に多かった.そしてこの不協力へと変化する時期は第1回治療時に集中していた.また急患群では一般群に比較して,初来院時に不協力行動をとりがちであり,協力度改善までに要する期間も長く,特に2~3歳児にその傾向が強く認められた. 2.局所麻酔により不協力行動が誘発されたと思われる小児の割合は,増齢的に多くなる傾向があった.またいずれの年齢群においても,局所麻酔により不協力となった症例群は,協力度改善までに長い期間を要する傾向があった. 以上の結果から,著者らの外来で使用している協力度判定は,客観性に欠けるにもかかわらず,判定結果にもとづく様相は以前の報告によく一致していた.したがって,このような方法を用いて小児患者の協力度の推移状況を把握することは,歯科治療時における小児のcontrolに役立てうると考えられる.
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd1963.22.1_418