118 10歳男児の上顎洞部に発現した巨大な複合歯牙腫の1例

私達は, 小学校の歯科検診で, 左側上顎第1大臼歯の萌出遅延を指摘され, 近医でのX線診査で, 異常な骨様新生物が発見されたため, 再度, 紹介来院した. 左側上顎洞部の巨大な歯牙腫の1例を経験したので, 興味ある術後の経過観察を含め, 多少の考察を交えながら報告した. 腫瘍は, 左側上顎大臼歯部歯槽骨の全域をしめ, 前方は第2乳臼歯の歯根部より, 後方は, 上顎結節の全部, そして上方は左側上顎洞底部を大きく圧迫して発育し, 腫瘍に圧排された第1大臼歯は, 上顎洞の内上方側深くに埋伏していた. 以上の所見から, 左側上顎洞部の複合歯牙腫と診断し, 埋伏した第1大臼歯を含む全摘出術を施行した....

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1983, Vol.21 (3), p.595-596
Hauptverfasser: 平川英明, 寺坂修治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:私達は, 小学校の歯科検診で, 左側上顎第1大臼歯の萌出遅延を指摘され, 近医でのX線診査で, 異常な骨様新生物が発見されたため, 再度, 紹介来院した. 左側上顎洞部の巨大な歯牙腫の1例を経験したので, 興味ある術後の経過観察を含め, 多少の考察を交えながら報告した. 腫瘍は, 左側上顎大臼歯部歯槽骨の全域をしめ, 前方は第2乳臼歯の歯根部より, 後方は, 上顎結節の全部, そして上方は左側上顎洞底部を大きく圧迫して発育し, 腫瘍に圧排された第1大臼歯は, 上顎洞の内上方側深くに埋伏していた. 以上の所見から, 左側上顎洞部の複合歯牙腫と診断し, 埋伏した第1大臼歯を含む全摘出術を施行した. 術後の局所所見では, 広範囲に歯槽骨を失い, 補綴学的には, やや修復困難な所見も認められたが, 第2小臼歯の萌出に伴い, いずれ改善されるものと思われる. 術後のX線による経過観察では, 極めて興味ある所見が認められた.
ISSN:0583-1199