115 静脈石を伴った血管腫の1例

血管腫は口腔領域の良性腫瘍として数多くみられ, 主に舌, 口唇, 頬粘膜に好発するが, 静脈石を伴ったものは比較的まれである. 今回我々は左側下顎角部の静脈石を伴った血管腫の1例を12年間にわたり, 経過観察したので, その「概要」を報告した. 患者は初診時2歳5ヵ月女児. 生後2ヵ月頃, 左側下顎角部に無痛性の腫脹を認め, 某小児科を受診. 特に処置は行わず放置していたが, 腫脹は徐々に増大するため昭和45年9月当科来院. 家族歴・既往歴に特記すべき事項はない. 現症としては, 左側下顎角部にびまん性, 弾性軟の腫脹を認め, X線所見で3個の円形のX線不透過像を認めた. 当科入院の上, 6個...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1983, Vol.21 (3), p.594-594
Hauptverfasser: 東條直子, 西嶋克巳, 高橋利近, 杉英樹, 吉崎典子, 永井教之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:血管腫は口腔領域の良性腫瘍として数多くみられ, 主に舌, 口唇, 頬粘膜に好発するが, 静脈石を伴ったものは比較的まれである. 今回我々は左側下顎角部の静脈石を伴った血管腫の1例を12年間にわたり, 経過観察したので, その「概要」を報告した. 患者は初診時2歳5ヵ月女児. 生後2ヵ月頃, 左側下顎角部に無痛性の腫脹を認め, 某小児科を受診. 特に処置は行わず放置していたが, 腫脹は徐々に増大するため昭和45年9月当科来院. 家族歴・既往歴に特記すべき事項はない. 現症としては, 左側下顎角部にびまん性, 弾性軟の腫脹を認め, X線所見で3個の円形のX線不透過像を認めた. 当科入院の上, 6個の結石と腫瘍の一部摘出を行った. 手術後も軽度の腫脹が持続し, 47年5月頃より腫脹の増大が著明となり, X線所見で結石様不透過像を認めたため, 昭和47年9月, 2個の結石を摘出. 次いで外来通院にて6回に分け計3mlの組織硬化剤の注入を行い, 腫瘍は縮小傾向を示した.
ISSN:0583-1199