5 乳歯咬合distal step typeにおける顔面頭蓋の成長に関する研究(第2報)

顎顔面の形態は, 乳歯咬合期において, すでにdistal群と正常咬合群の間で異なっていることを第20回日本小児歯科学会大会で報告した. すなわち, distal群は正常咬合群に比べて, 全頭蓋底長が有意に大きく, 上顎骨の大きさには変化がみられないが, 下顎骨の大きさにおいてはdistal群の方が小さい傾向にあるという結果が得られた. そこで今回は, distal群と正常咬合群の成長過程を把握する目的で, 乳歯咬合期から上顎永久中切歯萌出期までの両者の成長変化を比較検討した. 資料としてdistal群12症例, 正常咬合群12症例, 計24症例の頭部X線規格写真を用いて観察を行ない, 次の結...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1983, Vol.21 (3), p.542-542
Hauptverfasser: 犬塚勝昭, 佐藤厚, 桑原未代子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:顎顔面の形態は, 乳歯咬合期において, すでにdistal群と正常咬合群の間で異なっていることを第20回日本小児歯科学会大会で報告した. すなわち, distal群は正常咬合群に比べて, 全頭蓋底長が有意に大きく, 上顎骨の大きさには変化がみられないが, 下顎骨の大きさにおいてはdistal群の方が小さい傾向にあるという結果が得られた. そこで今回は, distal群と正常咬合群の成長過程を把握する目的で, 乳歯咬合期から上顎永久中切歯萌出期までの両者の成長変化を比較検討した. 資料としてdistal群12症例, 正常咬合群12症例, 計24症例の頭部X線規格写真を用いて観察を行ない, 次の結果を得た. 1)全頭蓋底長は歯齢IIA期より上顎永久中切歯萌出期まで有意の差をもってdistal群の方が大きい値を示したが, 成長量は両者の間で差を認めなかった. 2)上顎部および下顎部の前方成長量はdistal群が大きい傾向にあった. 3)A-N-Bは歯齢IIA期から上顎永久中切歯萌出期まで, 成長変化量の差はほとんどなく, distal群は約7度, 正常咬合群は約5度であった.
ISSN:0583-1199