肢体不自由児施設内診療室における6年間の歯科治療経験: 齲蝕罹患状況の変化と全身麻酔下治療
施設内歯科診療の影響を評価するため,施設内診療室で治療が行なわれている肢体不自由児の齲蝕罹患状況を,施設内診療開始前後で比較した。同時に,全身麻酔下歯科治療の実態,術後合併症の頻度と発現時間について統計学的処理を行なった。 その結果,1.施設内診療開始前後1年間で比較すると,歯科受診の実人数と乳歯,永久歯の処置歯率が増加した。2.施設内診療開始6年間の比較では,乳歯処置者率に経年的な増加傾向がみられた。3.脳性麻痺児の齲蝕罹患状況では,施設内診療開始2年目以降平担化した。4.全身麻酔は21人(23回)に応用され,その大部分が脳性麻痺児だった。5.全身麻酔時間は1時間,処置内容は永久歯の歯冠修復...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1983/03/25, Vol.21(1), pp.52-65 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 施設内歯科診療の影響を評価するため,施設内診療室で治療が行なわれている肢体不自由児の齲蝕罹患状況を,施設内診療開始前後で比較した。同時に,全身麻酔下歯科治療の実態,術後合併症の頻度と発現時間について統計学的処理を行なった。 その結果,1.施設内診療開始前後1年間で比較すると,歯科受診の実人数と乳歯,永久歯の処置歯率が増加した。2.施設内診療開始6年間の比較では,乳歯処置者率に経年的な増加傾向がみられた。3.脳性麻痺児の齲蝕罹患状況では,施設内診療開始2年目以降平担化した。4.全身麻酔は21人(23回)に応用され,その大部分が脳性麻痺児だった。5.全身麻酔時間は1時間,処置内容は永久歯の歯冠修復が多かった。6.術後合併症は咽頭痛が最も多く,嘔吐,口腔からの出血の順だった。7.術後合併症発現頻度と麻酔覚醒後の経過時間との間には,負の相関係数をもつ回帰直線が得られた。 また,施設職員の齲蝕罹患状況の変化と歯石沈着の有無についても調査し,1人平均処置歯数の経年的増加傾向をみた。 |
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ISSN: | 0583-1199 2186-5078 |
DOI: | 10.11411/jspd1963.21.1_52 |