79 下垂体性小人症の歯科学的研究

下垂体性小人症とは, 下垂体からの成長ホルモン分泌障害により, ソマトメジンが低値となり発育障害となる. 歯科学の分野において, 不正咬合の成因の一つに内分泌異常が記載され, 下垂体性小人症についても, 古くから報告されているが, 2, 3の報告を除き総合的な研究がされていない. 今回我々は, 神奈川県立こども医療センター内分泌代謝科において, 特発性下垂体性小人症と診断された, 3歳11ヵ月から34歳11ヵ月で, 男子27名, 女子4名, 計31名について, 側面頭部X線規格写真で, 頭蓋底及び下垂体窩の分折, 角度的, 距離的分折を, 上下顎歯列模型で, 歯冠近遠心径, 歯列弓分折を, オ...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1982, Vol.20 (1), p.231-231
Hauptverfasser: 斉藤高弘, 金子実, 山口博子, 森川重嗣, 池田正一, 久保田玲子, 諏訪誠三
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:下垂体性小人症とは, 下垂体からの成長ホルモン分泌障害により, ソマトメジンが低値となり発育障害となる. 歯科学の分野において, 不正咬合の成因の一つに内分泌異常が記載され, 下垂体性小人症についても, 古くから報告されているが, 2, 3の報告を除き総合的な研究がされていない. 今回我々は, 神奈川県立こども医療センター内分泌代謝科において, 特発性下垂体性小人症と診断された, 3歳11ヵ月から34歳11ヵ月で, 男子27名, 女子4名, 計31名について, 側面頭部X線規格写真で, 頭蓋底及び下垂体窩の分折, 角度的, 距離的分折を, 上下顎歯列模型で, 歯冠近遠心径, 歯列弓分折を, オルソパントモグラフ, 手腕部X線写真, 暦齢, 身長及び体重で, それぞれの相関を検査した. 1)頭蓋底の分折において, 蝶形骨部頭底蓋長が小さく, 蝶形骨板斜台角を除き, 他のほとんどの角度が大きかった. 下垂体窩では, 第1, 第2深径, 側面積が小さかった. 2)歯冠近遠心径では, 乳歯上顎C, 下顎C, D, 永久歯上顎1, 2, 6, 下顎3, 4, 6が小さかった. 3)歯列弓分折では, 乳歯列, 上顎長径, 下顎幅径に, 混合歯列, 上下顎長幅径に, 永久歯列, 男子は, 上下顎歯冠幅径総和, 女子は, 上顎幅径, 下顎長径に小さい傾向があった. 4)セファロ分析で, 角度的分析は, 多少下顎の下方成長と後退傾向が見られた. 距離的分析は, 前方各顔面高径, 後方顔面高径, 上下顎深径が小さい傾向にあった. 5)暦年齢に対する歯牙年齢は81.67%で, 1年10ヵ月の遅延, 骨年齢は71.36%で, 2年10ヵ月の遅延があった. また, 歯牙年齢は, 骨年齢より高い相関があった.
ISSN:0583-1199