34 微粒子コンポジットレジン(K-G)の乳臼歯への応用について-脱アマルガム材料として

今回新たに開発されたカネボウ社製K-Gコンポジットレジンは従来のBis-GMA系のコンポジットレジンとは全く異なる構造をもち, アマルガムに適する機械的強度と歯質接着性を有する臼歯部充填用コンポジットレジンである. そこで我々はK-Gコンポジットレジンを乳臼歯を対象として臨床に応用し2~5ヵ月にわたる観察を行い, 従来のコンポジットレジン及びアマルガムの結果と比較し検討を行いました. 1)対象は本学小児歯科に来院し, リコールに応じた70名105歯であった. 2)窩洞形態別不快事項発現歯数は22歯で21%に認められた. 3)歯髄・歯肉の不快事項発現歯数は4歯で5.4%であり, いずれも二級窩洞...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1982, Vol.20 (1), p.210-210
Hauptverfasser: 上杉滋子, 杉山久, 関本恒夫, 間下喜一, 米山博己, 野本克夫, 菊池進
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:今回新たに開発されたカネボウ社製K-Gコンポジットレジンは従来のBis-GMA系のコンポジットレジンとは全く異なる構造をもち, アマルガムに適する機械的強度と歯質接着性を有する臼歯部充填用コンポジットレジンである. そこで我々はK-Gコンポジットレジンを乳臼歯を対象として臨床に応用し2~5ヵ月にわたる観察を行い, 従来のコンポジットレジン及びアマルガムの結果と比較し検討を行いました. 1)対象は本学小児歯科に来院し, リコールに応じた70名105歯であった. 2)窩洞形態別不快事項発現歯数は22歯で21%に認められた. 3)歯髄・歯肉の不快事項発現歯数は4歯で5.4%であり, いずれも二級窩洞のみ認められたが, 他の窩洞には1例も発現しなかったことと考えあわせると本材料自体の歯髄刺激が原因とは考えにくいと思われた. 4)歯質の不快事項は, 破折1例, 二次カリエス5例が認められた. 5)充填物の不快事項は, 辺縁破折5例(4.8%), 体部破折7例(6.7%), 脱落4例(3.8%)が認められた. 6)充填物の磨耗は1例(1.0%)認められた. このことは従来からいわれているコンポジットレジンの欠点である耐磨耗性の弱さを強化したものと思われる. 7)歯質と充填物の間隙および充填物の変色は1例も認められなかった.
ISSN:0583-1199