75 第1大臼歯に応用したフイッシャーシーラント(デルトン)の経過観察

臼歯部の小窩裂溝の齲蝕予防法として, 以前に窩溝填塞法が応用されたことがあるが, あまり満足のいくものではなかった. また従来よりフッ素塗布や間食, 食事指導, 歯みがき指導が行われてはいるが, 臼歯部の裂溝の齲蝕予防はなかなか困難で, 中でも第1大臼歯の裂溝齲蝕の予防は非常に難しく, 萌出開始からフッ素塗布, ブラッシング, フッ化ジアミン銀塗布等を行ってそれなりの効果はあげてきたように思う. こうした中で酸エッチング法のシーラントが開発され, 臨床に応用した結果非常に効果があるように思えたので, その追跡調査を行ってみた. 本調査は, 昭和51年11月~55年4月までの3年5カ月間に来院し...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1981, Vol.19 (2), p.404-405
Hauptverfasser: 杉山乗也, 杉山桂子, 内田誠子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:臼歯部の小窩裂溝の齲蝕予防法として, 以前に窩溝填塞法が応用されたことがあるが, あまり満足のいくものではなかった. また従来よりフッ素塗布や間食, 食事指導, 歯みがき指導が行われてはいるが, 臼歯部の裂溝の齲蝕予防はなかなか困難で, 中でも第1大臼歯の裂溝齲蝕の予防は非常に難しく, 萌出開始からフッ素塗布, ブラッシング, フッ化ジアミン銀塗布等を行ってそれなりの効果はあげてきたように思う. こうした中で酸エッチング法のシーラントが開発され, 臨床に応用した結果非常に効果があるように思えたので, その追跡調査を行ってみた. 本調査は, 昭和51年11月~55年4月までの3年5カ月間に来院した患者の第1大臼歯にシーラントを行った全症例を調査対象とし, 1カ月~4年1カ月間経過観察を行った. 年齢は4歳9カ月~13歳0カ月まで(平均年齢7歳5カ月)男児299名, 女児310名, 計609名でした. シーラントはデルトンを用いました. そして, 上下顎別, 年齢別, 経過月数別に再シーラント, 再シーラント後充填処置へ移行したもの充填処置へ移行したものがどれだけあるかを調査しました. その結果, (1)全症例1643例中, 良好な経過をしているものは82.3%, 再シーラント11.6%, 再シーラント後充填処置へ移行したもの0.4%, 充填処置をしたもの5.8%でした. 即ち, 93.9%はシーラントにより良好な経過を得ました. (2)上下顎で比較してみると, 良好経過例は上顎では84.2%, 下顎では80.1%で, 上顎の方が多少良好な傾向を示しました. (3)年齢別成績では4~6歳児では79.8%, 7~8歳児は88.3%, 9~13歳児は90.2%と年齢が高くなるほど良好経過例が多い傾向が見受けられました. (4)経過月数別にその成績をみると, 1年以内の良好経過例は73.4%でした. 経過期間が長くなるほど良好な成績を示しました.
ISSN:0583-1199