53 第1大臼歯の萌出様相と齲蝕罹患に関する疫学的研究 第3報 咬合状態と萌出過程について
今日, 第1大臼歯の重要性については言うまでもない. しかし, 近年, 第1大臼歯は萌出途上, 或いは萌出直後, 多数, 齲蝕に罹患していることが報告されている. 臨床上, 萌出途上の第1大臼歯咬合面に多量の歯垢沈着のあることはよく経験されるところである. しかし, 歯垢沈着状況は, 第1大臼歯の萌出状態に伴なって変化することが推察されている. 咬合が開始されると, 自浄作用が発揮されることにより, 歯垢沈着状況が急速に改善されることはすでに先人により報告されている. 演者らは, 齲蝕発生にかかわる歯垢沈着状況と第1大臼歯の萌出様相を検討することを目的に, 一連の疫学的研究を進めている. 第一...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1981, Vol.19 (1), p.228-228 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 今日, 第1大臼歯の重要性については言うまでもない. しかし, 近年, 第1大臼歯は萌出途上, 或いは萌出直後, 多数, 齲蝕に罹患していることが報告されている. 臨床上, 萌出途上の第1大臼歯咬合面に多量の歯垢沈着のあることはよく経験されるところである. しかし, 歯垢沈着状況は, 第1大臼歯の萌出状態に伴なって変化することが推察されている. 咬合が開始されると, 自浄作用が発揮されることにより, 歯垢沈着状況が急速に改善されることはすでに先人により報告されている. 演者らは, 齲蝕発生にかかわる歯垢沈着状況と第1大臼歯の萌出様相を検討することを目的に, 一連の疫学的研究を進めている. 第一報において, 上下顎第1大臼歯の萌出様相の差, および男女差について検討した. 第2報においては, 第2乳臼歯の歯冠崩壊状態, 早期喪失が, 第1大臼歯の萌出様相にどのような影響を与えるかについて検討した. 今回, 第3報として, 咬合状態により, 第1大臼歯の萌出様相がいかに変動するか, 検討した. 資料は, 当初, 幼稚園年長児であったもので, 3カ月毎に採取している約240名のうち, 連続的に観察できた男児58名, 女児44名, 計102名を用いた. 咬合初期における第1大臼歯の咬合状態は, アングル分類に準じて3分類した. 上顎第1大臼歯はII級のものが早期に萌出開始し, 下顎歯はIII級のものが早期に萌出開始する傾向を認めた. 萌出開始してから咬合開始までに要する時間はIII級の下顎歯が著明に長いことを認めた. また乳歯列期の咬合状態から, 将来の第1大臼歯の萌出様相を早期に予想するための指標について検討した 結果, Terminal Planeのみでは, 明瞭にされなかったが, Canine relationとTerminal Planeの2つの指標を用いることが有効であると推察された. |
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ISSN: | 0583-1199 |