44 種々の濃度のSucrose溶液摂取後の歯垢下pHの変化

間食回数が, 齲蝕の発生に大きく関与することは, 疫学的に明らかにされている. そこで, 糖の濃度による歯に対する危険性を調べるため, 濃度を変えて砂糖溶液を摂取した時の, 歯垢のpH変化を測定した. I. 測定装置と方法 被験者は, ┌56欠損を有する成人男子1名同部位にトランジスタpH電極を設置した「口腔内歯垢下pH測定装置」を製作した(第16, 17回秋季小児歯科学会報告). 装置の装着日数は2~4日で, 濃度10, 5, 1, 0.5, 0.1%の砂糖溶液50μlを滴下した時と, 10mlで洗口(2分間)した時のpH変化を17回にわたり記録した. II. 結果 1. 糖濃度と最低pHと...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1981, Vol.19 (1), p.224-224
Hauptverfasser: 五十嵐公英, 千田隆一, 神山紀久男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:間食回数が, 齲蝕の発生に大きく関与することは, 疫学的に明らかにされている. そこで, 糖の濃度による歯に対する危険性を調べるため, 濃度を変えて砂糖溶液を摂取した時の, 歯垢のpH変化を測定した. I. 測定装置と方法 被験者は, ┌56欠損を有する成人男子1名同部位にトランジスタpH電極を設置した「口腔内歯垢下pH測定装置」を製作した(第16, 17回秋季小児歯科学会報告). 装置の装着日数は2~4日で, 濃度10, 5, 1, 0.5, 0.1%の砂糖溶液50μlを滴下した時と, 10mlで洗口(2分間)した時のpH変化を17回にわたり記録した. II. 結果 1. 糖濃度と最低pHとの関係 最低pHの平均値は, 10%→4.6, 5%→4.7, 1%→4.5, 0.5%→5.1, 0.1%→5.4で, 1%以上群の平均pH値5.2と, 未満群の平均pH値4.6との間には, 有意な差がみられた(P<0.01). 2. 糖濃度とpH6までの回復時間の関係 あと戻り時間の平均値は, 0.1%→5分, 0.5%→6分, 1%→13分, 5%→23分, 10%→24分で, 濃度と時間の間には, 放物線的傾向がみられた. 3. 最低pHとpH6までの回復時間の関係 pH5未満→15分, pH5以上→8分を要したが, 明確な関係は得られなかった. III. 結論と考察 齲蝕予防上, 歯垢内の酸の量とその時間は重要と思われるが, 歯垢日数が2~4日の場合. 1)最低pHは, 10%, 1%で差がなく, 0.5%, 0.1%で少なくなる. 2)濃度が濃くなるにつれて, 戻り時間は放物線的に伸びてゆく. 3)最低pHと戻り時間については, 別の因子が関与しているらしい. 4)間食食品の糖濃度を1%未満に減らすことが有益であろうと思われた.
ISSN:0583-1199