31 Dens in Denteの1例

演者らは, 右側下顎乳犬歯相当部頬側歯肉の圧痛を主訴として九州歯科大学附属病院小児歯科外来を訪れた女児のX線パノラマ撮影により, 左側上顎側切歯の歯内歯に遭遇したので, 今回報告を行った. 患者は昭和45年9月2日生で, 初診時9歳4カ月であった. 初診日は昭和55年1月28日, 主訴は右側下顎乳犬歯相当部頬側歯肉の圧痛で, 既往歴および家族歴に特記事項はない. 現病歴は, 歯内歯を発見した左側上顎側切歯の口蓋部に, 以前, 腫脹を自覚したが, そのまま放置していたため, その時期は不明確である. 現症は, 全身的所見としては特記すべき事項はない. 歯内歯は根管治療が困難であるこ. とと, 矯...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1981, Vol.19 (1), p.218-218
Hauptverfasser: 森高恵久, 木村光孝, 古野忠敬, 三箇正人, 長谷川喬
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:演者らは, 右側下顎乳犬歯相当部頬側歯肉の圧痛を主訴として九州歯科大学附属病院小児歯科外来を訪れた女児のX線パノラマ撮影により, 左側上顎側切歯の歯内歯に遭遇したので, 今回報告を行った. 患者は昭和45年9月2日生で, 初診時9歳4カ月であった. 初診日は昭和55年1月28日, 主訴は右側下顎乳犬歯相当部頬側歯肉の圧痛で, 既往歴および家族歴に特記事項はない. 現病歴は, 歯内歯を発見した左側上顎側切歯の口蓋部に, 以前, 腫脹を自覚したが, そのまま放置していたため, その時期は不明確である. 現症は, 全身的所見としては特記すべき事項はない. 歯内歯は根管治療が困難であるこ. とと, 矯正治療を行うため抜去した. 歯牙の形態はほぼ正常で, 切縁には切痕を有し, 舌側面では辺縁隆線が発達し, 近心側の切痕から舌面溝が走向し, 舌面隆線の発育は著明であった. 抜去歯牙を超軟X線装置で撮影したところ, 唇舌的には切縁の近心側のおよそ1/3より歯髄腔側へ向って線状の透過像が侵入しているのが認められ, それは陥入部のエナメル質の最下底部まで連続して認められた. 内側エナメル質は歯冠部の切縁側1/3位から不透過性を増し, そのままの不透過性を保ち, 下方で左右側より連絡していた. 近遠心的には歯牙内側にX線透過像, その外側にエナメル質と同程度の不透過性の1層を認め, その外側には外側の象牙質と同程度の不透過性を呈する1層が存在し, さらにその外側は透過像に囲まれていた. 内側の歯牙様物は漏斗状を呈していた. 陥入の状態は, エナメル-セメント境を越えてはいるが, 歯根のおよそ1/3で, 小野寺の分類では第II型であった. 病理組織学的には, 歯髄は退行性変化が著明であった. なお, 本症例は矯正治療中であり, 経過観察を行っている.
ISSN:0583-1199