16 当歯科診療所小児グループにおける障害児医療の到達点と課題
当歯科診療所は, 5年前, 倉敷市医療生協の一診療所として開設されました. 以来, 小児グループでは, 健常児と同時に, 少数ですが, 障害児も治療してきました. 身体障害者手帳を持っている患者さんを中心に来院数を調べたところ, 81名で, 倉敷市を中心に近隣郡部からも来院されていました. 来院の動機は, 当医療生協組合員さん, その紹介, 当病院小児科からの紹介, 市の福祉課・養護施設等からの紹介, 患者さん同志の口込み等, 様々です. 中には, 何軒も歯科医院をまわって, やっとの思いで当歯科診の門を叩いた方もおられます. 私達は, 障害児の治療をするにあたって, “障害の有無に拘わらず,...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1981, Vol.19 (1), p.210-210 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 当歯科診療所は, 5年前, 倉敷市医療生協の一診療所として開設されました. 以来, 小児グループでは, 健常児と同時に, 少数ですが, 障害児も治療してきました. 身体障害者手帳を持っている患者さんを中心に来院数を調べたところ, 81名で, 倉敷市を中心に近隣郡部からも来院されていました. 来院の動機は, 当医療生協組合員さん, その紹介, 当病院小児科からの紹介, 市の福祉課・養護施設等からの紹介, 患者さん同志の口込み等, 様々です. 中には, 何軒も歯科医院をまわって, やっとの思いで当歯科診の門を叩いた方もおられます. 私達は, 障害児の治療をするにあたって, “障害の有無に拘わらず, 子どもは常に成長・発達しつつある, 人格あるひとりの人間である”ということを基本においています. 治療期間は, 彼らの生活のほんの一部ですが, その間を通じて, 私達は1)歯科スタッフの体制が整えば, 最初はスムーズにいかなくとも, 回を重ねる毎にその内容を彼らなりに理解・納得して, 次第に治療ができるようになっていく. 2)歯科治療を通して, 障害児は, 何らかの形で発達しており, 又同時に, 周囲の人も学ばされることが多い. 3)治療を通してのスタッフ・親・障害児のコミュニケーションが治療の予後(口腔衛生管理も含む)に影響を与える. 4)国・県・市の障害児歯科医療対策が十分とはいえない状況下で, 私達は現状認識と学習を深め, 医療生協の特性を生かした歯科医療を追求していきたい. などということを痛感しました. 来年は国際障害者年です. 私達は歯科医療従事者として, 来年を実りあるものにしたいと思います. |
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ISSN: | 0583-1199 |