乳歯齲蝕が原因となったと考えられる全身性紅斑の一例について

歯の齲蝕などの口腔疾患を原発病巣として全身性疾患がひき起こされるということは,よく知られている。しかしながら,口腔疾患と全身性疾患の関係を証明することは困難であり,多くの報告では,口腔病巣の除去によって全身性疾患が改善されることにより因果関係を推測している。 今回,著者らは乳歯齲蝕によってひきおこされたと考えられる全身性紅斑の一例を経験したので報告する。 患児は,全身性紅斑に罹患した7歳10カ月の女児で,国立小児病院小児内科より歯性病巣感染の精査のため,同歯科を紹介された。既往歴から,全身の紅斑の出現した2回とも,直前より下顎右第1第2乳臼歯の歯痛と歯肉の腫脹を伴っていた。全身の管理を行ないな...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1981/04/25, Vol.19(1), pp.145-149
Hauptverfasser: 富沢, 美恵子, 山崎, 博史, 野田, 忠, 小柴, 宏明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:歯の齲蝕などの口腔疾患を原発病巣として全身性疾患がひき起こされるということは,よく知られている。しかしながら,口腔疾患と全身性疾患の関係を証明することは困難であり,多くの報告では,口腔病巣の除去によって全身性疾患が改善されることにより因果関係を推測している。 今回,著者らは乳歯齲蝕によってひきおこされたと考えられる全身性紅斑の一例を経験したので報告する。 患児は,全身性紅斑に罹患した7歳10カ月の女児で,国立小児病院小児内科より歯性病巣感染の精査のため,同歯科を紹介された。既往歴から,全身の紅斑の出現した2回とも,直前より下顎右第1第2乳臼歯の歯痛と歯肉の腫脹を伴っていた。全身の管理を行ないながら,局所麻酔下にC3-C4の乳歯10本を抜歯したところ,紅斑は消失し,以後1年10カ月を経た現在まで再発もみられていない。
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd1963.19.1_145