多数乳歯の萌出異常の1症例
「緒言」乳歯は一般に生後6~7ヵ月頃, 下顎乳中切歯より萌出を開始し, 2歳半頃までには全乳歯の萌出を完了するといわれている1,2). しかしながら時には種々の原因により萌出が遅延したり, 永久歯に比較し頻度は低い3)が, 埋伏し萌出をみないこともある. われわれは, 多数乳前歯に萌出異常(遅延または埋伏)を認める2歳10ヵ月女児の症例に遭遇したので報告する. 「症例」患者:女児 昭和52年1月28日生 初診:昭和54年12月13日(2歳10ヵ月) 主訴:B|B/BA|AB 家族歴:父母, 2人の姉ともに全身的に異常は認められない. また, 姉について乳歯の萌出異常は認められなかった. 長女に...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1980/12/25, Vol.18(3), pp.637-642 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」乳歯は一般に生後6~7ヵ月頃, 下顎乳中切歯より萌出を開始し, 2歳半頃までには全乳歯の萌出を完了するといわれている1,2). しかしながら時には種々の原因により萌出が遅延したり, 永久歯に比較し頻度は低い3)が, 埋伏し萌出をみないこともある. われわれは, 多数乳前歯に萌出異常(遅延または埋伏)を認める2歳10ヵ月女児の症例に遭遇したので報告する. 「症例」患者:女児 昭和52年1月28日生 初診:昭和54年12月13日(2歳10ヵ月) 主訴:B|B/BA|AB 家族歴:父母, 2人の姉ともに全身的に異常は認められない. また, 姉について乳歯の萌出異常は認められなかった. 長女に |6/ |6の萌出遅延が認められる. また, 問診によると母方の従兄に, 2歳頃乳臼歯部より萌出を開始し, 3歳までにATAの萌出を最後に全乳歯の萌出が完了した者がいると言っている. 既往歴:妊娠中の母親の全身状態に特記すべき事項はない. 出産は満期普通分娩で, 生下時体重2700g, 身長49cmであった. 出生後の患児の全身状態に特記すべき事項はない. 歯科的既往歴:1歳4ヵ月頃, 乳歯萌出遅延を主訴とし, 某歯科にてレントゲン診査を受け乳歯歯胚の存在は確認されている. |
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ISSN: | 0583-1199 2186-5078 |
DOI: | 10.11411/jspd1963.18.3_637 |