咬合採得用ワックスによる切縁咬頭印象法を用いた研究: 第3報 乳歯列完成後の歯列弓形態について
「緒言」口腔機能の成熟という大きな変化の影響を受けて完成する乳歯列弓は以後の歯列弓の基本となる. そのような基本となる乳歯列弓の大きさや形態の正常範囲を知ることは, 日常の臨床にとって重要なことである. このような観点から様々な研究が行われてきたが, いずれも少数1~11)を対象としたものであった. しかし, それらの研究の集積として得た知識を日常臨床で応用する際には個体差を異常と判断してしまう危険がある. そこで個体差の積み重ねとしての知識を得るためには, より多くの集団を対象としなければならない. その目的を達成する為に, 我々は一連の研究を行ってきている. その第1報においては, 多数の...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1980/12/25, Vol.18(3), pp.479-484 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「緒言」口腔機能の成熟という大きな変化の影響を受けて完成する乳歯列弓は以後の歯列弓の基本となる. そのような基本となる乳歯列弓の大きさや形態の正常範囲を知ることは, 日常の臨床にとって重要なことである. このような観点から様々な研究が行われてきたが, いずれも少数1~11)を対象としたものであった. しかし, それらの研究の集積として得た知識を日常臨床で応用する際には個体差を異常と判断してしまう危険がある. そこで個体差の積み重ねとしての知識を得るためには, より多くの集団を対象としなければならない. その目的を達成する為に, 我々は一連の研究を行ってきている. その第1報においては, 多数の研究資料を得る為の手段の開発とその有効性12)について, 第2報においては, その方法を用いた口腔機能が完成された直後の2歳児の乳歯列の形態についての報告を行ってきた13). 本研究においては, 3歳児の乳歯列が完成した直後の乳歯列の形態について研究を行い, 2歳児と比較して, 形態変化についていささかの所見を得たのでここに報告する. 「資料」東京都板橋区に在住している3歳1ヵ月児1719名を対象として, アルーワックス印象採得の行えた1430名中, 口腔診査により, 歯数の異常, 歯冠形態の異常, 減形成交叉咬合, 開咬, 口腔奇形, う蝕による歯冠の崩壊が著しくなく, 上下顎の正中線が偏位していない男児258名, 女児263名, 計521名の上下顎1042個のアルーワックス印象による歯型板である. |
---|---|
ISSN: | 0583-1199 2186-5078 |
DOI: | 10.11411/jspd1963.18.3_479 |