12 歯ブラシの頸部に関する考案
私達の歯垢清掃具に対する研究の中で, 小児が自ら歯をみがいても, 母親が補助的に歯をみがいても歯垢清掃効果が非常によく短時間で歯みがきが完了する歯ブラシは, 刷毛長8mmで植毛部の大きさが20mmのものであると過去に本会でも報告した. しかし少くとも毎日している小児, 母親そして歯科衛生士などにとって歯ブラシの基板の大きさや頸部の太さなど細部にも問題が生じてくる. 中でもう蝕のある場合, 歯列不正, 欠損, 混合歯列, 装置などを認める口腔では, 歯列が健全である口腔に比べて, 歯みがき時間が長くなり, その効果も悪い. また部位によっては, 毛の部分以外の基板が歯にあたりみがきにくいことがよ...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1980, Vol.18 (2), p.457-458 |
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Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 私達の歯垢清掃具に対する研究の中で, 小児が自ら歯をみがいても, 母親が補助的に歯をみがいても歯垢清掃効果が非常によく短時間で歯みがきが完了する歯ブラシは, 刷毛長8mmで植毛部の大きさが20mmのものであると過去に本会でも報告した. しかし少くとも毎日している小児, 母親そして歯科衛生士などにとって歯ブラシの基板の大きさや頸部の太さなど細部にも問題が生じてくる. 中でもう蝕のある場合, 歯列不正, 欠損, 混合歯列, 装置などを認める口腔では, 歯列が健全である口腔に比べて, 歯みがき時間が長くなり, その効果も悪い. また部位によっては, 毛の部分以外の基板が歯にあたりみがきにくいことがよくある. 今回は, より効率よい歯みがきをする一方法として, 歯ブラシの頸部に着眼し種々考察したが, その結果, 扱いやすくて, 歯面の確認がたやすく, 使用者の疲労が少なく, 清掃時間も短かくてすむ頸部の形態は, 細くすることであるという結論を得た. しかし頸部を細くしたために, すぐ折れたり変型したのでは危険を伴う. そこで細い頸部でも折れることなくまた煮沸しても変化しない樹脂を選択するべく実験を行った結果, ポリカーボネート樹脂が最適であるという結論を得たので, 従来の歯ブラシに多く使用されているAS樹脂と2, 3比較した. 1. 煮沸試験-AS樹脂は, 約1分で変型をはじめ3分でほとんどそりくりかえるが, ポリカーボネート樹脂は, 60分煮沸しても変型がなく, 頸部の太さには関係がなかった. 2. 植毛虐待試験-AS樹脂は変型のため手でも毛が抜けるが, ポリカーボネート樹脂では, 60分煮沸後でも規格の2.5kg以上の値を示した. 3. 破壊試験-AS樹脂を細首にした場合4mmでは2kg以内, 5mmでは3kg以内で破損するが, ポリカーボネート樹脂では, 5mmの頸部で約10kgの力を加えた場合, 変型はするが破損はしなかった. |
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ISSN: | 0583-1199 |